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産業廃棄物と一般廃棄物の違いとは?それぞれの概要・具体例を確認
「廃棄物」や「ごみ」と呼ばれるものは、大きく分けると産業廃棄物または一般廃棄物に分類されます。
このどちらに該当するのかで処分のルールが変わってくるので、明確に理解しておかなければなりません。
本記事では、産業廃棄物と一般廃棄物の概要や具体例、および両者の違いについて解説します。
また、特に間違いやすい廃棄物についても触れていますので、ぜひ最後までご覧ください。
< 目次 >
産業廃棄物の概要と具体例
産業廃棄物は、廃棄物処理法で定められた19種類の廃棄物を指します。
種類 | 一例 | ||
あらゆる事業活動に伴うもの | 燃え殻 | 事業活動に伴い発生する石炭がらや灰カス、焼却残灰、炉清掃掃出物など 一例:石炭がら、灰かす、廃棄物焼却灰 |
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汚泥 | 工場廃水などの処理後に残った泥状のものや、各種製造業の製造工程で発生する泥状のもの 一例:製紙スラッジ、下水汚泥、浄水場沈でん汚泥 |
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廃油 | 鉱物性および動植物性油脂に関するすべての廃油 一例:潤滑油系廃油、切削油系廃油、洗浄油系廃油 |
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廃酸 | 廃硫酸や廃塩酸、有機廃酸類などをはじめとしたすべての酸性廃液 一例:無機廃酸、有機廃酸、アルコール発酵廃液 |
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廃アルカリ | 廃ソーダ液をはじめとしたすべてのアルカリ性廃液 一例:洗びん用廃アルカリ、石炭廃液、廃灰汁 |
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廃プラスチック類 | 合成高分子系化合物に関する固形状または液状のすべての廃プラスチック類 一例:廃ポリウレタン、廃スチロール、廃ベークライト |
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ゴムくず | 合成ゴム以外の天然ゴムくず 一例:切断くず、裁断くず、ゴムくず |
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金属くず | 一例:鉄くず、空かん、古鉄・スクラップ | ||
ガラス・コンクリート・陶磁器 | 一例:ガラスくず、コンクリートくず、陶磁器くず | ||
鉱さい | 一例:高炉、平炉、転炉、電気炉からの残さい | ||
がれき類 | 工作物の新築、建築や除去に伴い生じた各種廃材 一例:コンクリート破片、レンガ破片、ブロック破片 |
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ばいじん | ばい煙発生施設・焼却施設などの集じん施設で集められたもの 一例:電気集じん機捕集ダスト、バグフィルター捕集ダスト、サイクロン捕集ダスト |
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排出する業種が限定されるもの | 紙くず | (1)工作物の新築、改築または除去に伴って生じた建設業に関するもの、(2)パルプ・紙または紙加工品製造業、新聞業(新聞巻取紙を使用して印刷発行)に関するもの、(3)印刷出版を行う者に限る出版業に関するもの、(4)製本業および印刷物加工業に関するもの、(5)PCBが塗布され、または染みこんだもの 一例:印刷くず、製本くず、裁断くず |
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木くず | (1)工作物の新築・改築または除去に伴って生じた建設業に関するもの、(2)家具の製造業を含む木材または木製品製造業に関するもの、(3)パルプ製造業、(4)輸入木材の卸売業および物品賃貸業に関するもの、(5)パレットへの貨物の積付けのために使用したこん包用の木材を含む貨物の流通のために使用したパレットに関するもの(※木製パレットは排出事業者の業種限定ではない)、(6)PCBが染みこんだもの 一例:建設業関係の建物、橋、工事現場の廃木材 |
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繊維くず | (1)工作物の新築、改築または除去に伴って生じた設業に関するもの、(2)衣服その他の繊維製品製造業を除く繊維工業に関する天然繊維くず(合成繊維は廃プラスチック類)、(3)PCBが染みこんだもの 一例:木綿くず、羊毛くず、麻くず |
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動物系固形不要物 |
と蓄場においてとさつし、または解体した獣蓄および食鳥処理場で食鳥処理した食鳥に関する固形状の不要物 一例:と蓄場で処分した獣蓄、食鳥処理場で処理した食鳥 |
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動植物性残さ |
食料品製造業、医薬品製造業または香料製造業で原料として使用した動物や植物に関する固形状の不要物 一例:魚や獣の骨・皮・内臓などの動物性残さ、ソースかすなどの植物性残さ |
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動物のふん尿 | 畜産農業に該当する事業活動に伴い生じた動物のふん尿 一例:牛、馬、豚などのふん尿 |
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動物の死体 | 畜産農業に該当する事業活動に伴い生じた動物の死体 一例:牛、馬、豚などの死体 |
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以上の産業廃棄物を処分するために処理したもので、上記の産業廃棄物に該当しないもの |
廃酸・廃アルカリについて、中和処理をしたものは汚泥の扱いになります。
一般廃棄物の概要と具体例
一般廃棄物とは、産業廃棄物に該当しないものを指します。以下の種類があります。
家庭廃棄物 | 家庭から排出される一般廃棄物 一例:生ごみや木くずなどの可燃ごみ、食器やガラスなどの不燃ごみ、タンス屋食器棚などの粗大ごみ、洗濯機、エアコン、テレビ、冷蔵庫といった家電4品目、パソコンやその周辺機器、自転車、乾電池や蛍光灯などの有害ごみ |
事業系一般廃棄物 | 事業活動に伴い排出される一般廃棄物 一例:生ごみや木くずなどの可燃ごみ、食器棚や机などの粗大ごみ |
特別管理一般廃棄物 | 爆発性、毒性、感染性など、人の健康や生活環境に被害をもたらす恐れのある一般廃棄物 一例:PCB使用部品、ばいじん、汚泥 |
産業廃棄物と事業系一般廃棄物の違い
産業廃棄物と事業系一般廃棄物では、処分範囲や管轄する行政区分など、いくつかの違いがあります。
ここでは、事業活動に関わる一般廃棄物として、比較対象を事業系一般廃棄物に絞って紹介します。
処分範囲
産業廃棄物の処分を行えるのは、許可を有している都道府県内外の廃棄物処理施設です。
一方、事業系一般廃棄物は市町村のクリーンセンターなどでの処分が求められます。
管轄する行政区分
産業廃棄物を管轄しているのは、都道府県もしくは一部の政令指定都市、中核市です。
事業系一般廃棄物については市町村で管轄を行っています。
そのため、届け出をする窓口もそれぞれ異なります。
廃棄に関する許可
産業廃棄物は、廃棄物を収集する積込地と、処分する積降地ごとに管轄する都道府県から許可を得なければなりません。
また、取り扱っている品目ごとの許可も必要になります。
事業系一般廃棄物の場合は、あらかじめ市町村より一般廃棄物処理業の許可を得ることにより、すべての一般廃棄物を処理することができます。
詳しくは後述します。
保管基準
産業廃棄物の場合、収集されるまでの間に外へ流れ出したりしないように厳格な管理体制の構築が必要です。
たとえば、囲いや保管していることを示す掲示板を設置しなければなりません。
また、保管可能期間はやむを得ない期間以内、保管量は1日の処理能力の14倍と定められています。
排出から処分までの管理
産業廃棄物は適切に処理したことを示す情報を残しておかなければなりません。
たとえば、マニフェストと呼ばれる産業廃棄物管理票での管理・保存、収集から処分までに関する報告、収集運搬業者・産業廃棄物処理業者と委託契約書の締結などが必要です。
一方、事業系一般廃棄物の場合、こうした書類管理は原則として必要ありません。
ただし、取り扱う廃棄物の量によっては、マニフェストが必要になることもあるため、事前に条例を確認しておきましょう。
また、トラブルを未然に防ぐためにも、委託業者とは契約書を締結しておくことが推奨されます。
産業廃棄物を処分するときに必要な許可
産業廃棄物を処分する際には以下の許可が必要となります。
- 収集運搬業者:産業廃棄物収集運搬業許可
- 産業廃棄物処理業者:産業廃棄物処分業許可
それぞれ、都道府県知事もしくは政令指定都市の市長が認める許可です。
排出事業者が産業廃棄物の収集・処理を依頼する際は、必ずこれらの許可を所持している事業者へ委託しなければなりません。
一般廃棄物を処分するときに必要な許可
一般廃棄物の処分・収集を行う業者は、一般廃棄物処理業許可を取得しておかなければなりません。
この許可は、市区町村として一般廃棄物の収集や運搬・処理が難しい場合に、条件を満たした事業者に対して認められる許可です。
しかし、多くの市区町村では一般廃棄物の処理能力が十分なため、新規の許可取得は難しいとされています。
一般廃棄物と間違いやすい産業廃棄物の例
一般廃棄物の中には、特定の業種から排出されると産業廃棄物になるケースがあります。
特に注意が必要なのが、紙くずです。
オフィスで出た各種用紙などのごみは一般廃棄物ですが、特定の業種である建設業やパルプ製造業などで排出される紙くずは産業廃棄物に分類されます。
木くずについても一般廃棄物ではありますが、建設業やパルプ製造業のほか、木材の海外輸入卸売業などで生じたものに関しては産業廃棄物です。
排出するものがどのような条件で産業廃棄物になるのか、確認しておきましょう。
産業廃棄物と一般廃棄物の処理を間違えた場合の罰則
産業廃棄物と一般廃棄物の分別を誤り、不適切な方法で処理した場合、不法投棄と見なされる可能性があります。
たとえ故意ではなくとも、その責任を免れることはできません。
罰則は5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金、またはその両方です。
参照元:e-Gov法令検索:廃棄物の処理及び清掃に関する法律(第25条1-14)※2025年5月2日確認
産業廃棄物と一般廃棄物を正しく分別するためのポイント
意図的ではなくても、産業廃棄物と一般廃棄物の分類をうっかり間違えてしまうケースも少なくありません。
罰則の対象となるトラブルを防ぐためにも、以下の3つのポイントを押さえておきましょう。
ポイント①法令や自治体のごみの分別表を確認する
廃棄物の分類は、法令によって定められているため、法令についてしっかりと理解しておくことが欠かせません。
自治体によってもごみの分別ルールが異なるので、こちらも確認しておきましょう。
また、分別方法は更新されることもあるため、常に最新の情報をチェックすることも重要です。
分別方法に不明点があれば、自治体の担当課に問い合わせることで、解決を図ることが可能です。
ポイント②分別に関する問い合わせ窓口を設ける
社内で従業員が分別に関する疑問を抱えたときのため、問い合わせ窓口を設けておきましょう。
担当者や問い合わせ方法を明確にしておくと、分別に迷った従業員のが自己判断による誤対応を防止できます。
ポイント③従業員に周知する
会社全体で正しい分別に取り組むには、従業員一人ひとりが正しい知識を持つことが不可欠です。具体的な分別方法や、誤った処理をした場合の罰則について、文書を作成して配るのもよいでしょう。
一般廃棄物と産業廃棄物それぞれを適切に取り扱う必要がある
いかがだったでしょうか。
今回は産業廃棄物と一般廃棄物の違いや分別するための重要なポイントを解説しました。
誤った方法で処理してしまうと、罰則の対象となるため注意が必要です。
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