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廃棄証明書とは?マニフェストとの違いと必要な理由&発行形式

機密文書の廃棄は、適切な形で行わなければ情報漏えいのリスクがあります。

そこで、廃棄証明書の発行が可能な専門の廃棄業者へ依頼することが重要です。

ただ、廃棄証明書についてよく分からない方もいるでしょう。

 

本記事では、機密文書の処分を検討している方に向けて、廃棄証明書とはどのようなものかを詳しく紹介します。

廃棄証明書の基本的な役割のほか、必要性や保管のポイントについても解説するので、ぜひ参考にしてください。

 

 

廃棄証明書とは

 

廃棄証明書とは、機密文書や保存期間を過ぎた重要書類を適切に処分したことを証明する書類です。

 

発行は廃棄業者が行い、依頼した側である排出事業者は必要に応じてその発行を求めることが可能です

 

廃棄証明書とマニフェストの違い

 

廃棄証明書と混同されやすいものに「マニフェスト」がありますが、両者は目的や運用が異なります。

 

まず、廃棄証明書は機密文書の処理を完了したことを廃棄業者が証明し、排出事業者に渡す書類です。

 

一方、マニフェストは産業廃棄物の排出事業者が処理業者に廃棄を依頼する際に作成し、処理過程を追跡したり、管理したりする目的で利用される管理票です。

産業廃棄物に対して必要とされるため、事業系一般廃棄物では基本的に不要ですが、リスク回避のために発行するケースもあります。

 

なぜ廃棄証明書が必要なのか

 

廃棄証明書が求められるのは、機密性の高い文書が確実に適正な方法で処分されたことを明らかにするためです。

適切に破棄されたことが証明されていれば、情報漏えいリスクの低減やコンプライアンス遵守にもつながります。

 

廃棄証明書がなければ、廃棄業者が確かに廃棄処分を行ったということを証明できません。

後に処分したはずの機密文書の内容などが漏えいした際、処分を依頼した企業や団体が責任を問われる可能性があります。

 

廃棄証明書の発行を受けることで情報漏えいのリスクをできる限り抑え、企業や団体の社会的信用を守ることが可能です。

 

機密文書が正しく廃棄されないことによるリスク

 

機密文書とは、企業や団体にとって非常に重要な書類のことをいいます。

外部に漏えいすると問題となる内容も含まれており、秘密保持が必要です。

 

そのような機密文書が正しく廃棄されなかった場合に起こる代表的なリスクは、以下のとおりです。

 

紙の書類から情報が漏えいする

 

紙形式で機密文書を取り扱っている企業や団体が数多くありますが、正しく廃棄されないと情報漏えいのリスクがあります。

重要な情報が書かれた書類のみ抜き出されてしまうこともありますが、数ある種類のうち1枚だけ抜かれた場合などは気付けないこともあるでしょう。

 

正しく廃棄されないことにより、書類に書かれている内容が外部に流出し、顧客情報や機密情報が不適切な形で外部に漏れてしまう可能性も考えられます。

顧客からの信用を失い、場合によっては法的な責任を問われることもあります。

 

HDDやSSDなどのデバイスからデータを復元される

 

近年、紙媒体ではなくHDDやSSDでデータを管理する企業や団体が増加しています。

不要になったHDDやSSDに関しては、適切にデータを消去することが重要です。

 

しかし、消去や初期化をしても復元が可能な場合があり、必ずしも安全とはいい切れません。

復元された場合、保存されていた情報が第三者に漏えいするリスクが生じます。

 

実際に、購入した中古のパソコンから前の所有者の個人データが復元されたケースもあり、信頼できる業者に依頼し、機密文書データを含むHDDやSSDを適切に廃棄する必要があります。

物理的に破壊して復元が不可能な状態にするのも一つの方法です。

 

デバイスから情報を抜き取られる

 

紙などの媒体は紛失に気付きやすいですが、デバイスから情報だけが抜き取られる場合、気付かないこともあります。

特に、機密文書が含まれるデバイスの管理が甘かったり、誰でも触れられるような状態になっていたりすると危険です。

 

廃棄証明書はどのような形式で発行される?

 

廃棄証明書の形式は法律で定められていないため、廃棄業者によって異なります。

発行は、紙または電子媒体で行われます。

 

それぞれの違いは以下のとおりです。

 

 

  紙媒体 電子媒体
発行手順 処理後に郵送 処理後にメールでデータが送付されるか、専用サイトにアップロードされる
発行にかかる日数 郵送のため時間がかかる 紙媒体よりも早い
メリット
  • 届いた状態のままでファイルに入れて管理可能
  • 物理的な管理ができるため、廃棄した事実を明確にしやすい
  • パソコンへの不正アクセスなどがあっても情報漏えいを防ぎやすい
  • データとしてパソコンに保存、確認が可能
  • 紙媒体と異なり処分する費用がかからない
  • 物理的な保存スペースが不要
デメリット
  • 紙の状態で保管すると保管場所に悩むことがある
  • 紙媒体だと紛失したり、劣化したりすることがある
  • 不要になり大量に廃棄する場合は廃棄処理費用がかかる
  • 印刷する場合はその手間がかかる
  • サイバー攻撃やシステム障害により損失する恐れがある
  • 電子化して管理することにコストと時間がかかることがある

 

廃棄業者が対応している方法でなければ選択できませんが、業者によっては両方に対応していて選べる場合もあります。

 

廃棄証明書は保管が必要?

 

通常の廃棄証明書であれば、5年間が保管期間です。

 

一方、廃棄証明書が領収書としての役割も果たしている場合は、領収書の保管期間と同様に7年間保管しなければなりません。

どちらの場合も長期間にわたって保存することになるので、紛失しないように注意しましょう。

 

なお、保管方法は法律で決められていないため、自社で整理して保管しておく必要があります。

 

廃棄証明書があっても不安な場合は?

 

廃棄証明書が発行されても、依頼した機密文書が適切に処分されたとは限りません。

過去には廃棄業者に処分を依頼したものの、従業員が依頼されたデバイスを盗んでオークションに出品したといった事件も発生しています。

 

廃棄証明書があっても不安と感じる場合は、廃棄時に立ち合いができる廃棄業者を選ぶこともおすすめです。

自分の目で廃棄を依頼した機密文書が確実に処分される様子を確認できれば、安心感を得ることができます。

 

廃棄証明書がもらえないケースはある?

 

ほとんどの廃棄業者では廃棄証明書の発行に対応していますが、発行していない業者もあるようです。

特に小規模な廃棄業者の場合は対応していないケースもあるので注意が必要です。

 

また、複数の会社から受け取った文書をまとめて処理しているような場合も個別で管理されないため、証明書を発行できないことがあります。

こういった廃棄業者の場合は処理後に証明書の提出を求めても対応できない可能性が高いといえるでしょう。

そのため、廃棄証明書が必要な場合は事前に発行可能か確認しておくことが大切です。

 

機密文書は正しい処理が求められる

 

いかがだったでしょうか。

 

今回は廃棄証明書とは何か、なぜ必要なのか、などについて解説しました。

機密文書の内容が流出すると企業の信頼を損なうことにもなるため、信頼性の高い廃棄業者に依頼し、廃棄証明書の発行を受けて適切に処理することが重要です。

企業は、機密文書に限らず、必要な書類全般を適切に管理する責任があります。

 

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