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2022.02.02

コラム

産業廃棄物の保管基準とは?仮置き時の保管表示や事前届出もチェック

排出事業者は、事業活動から生じた産業廃棄物を正しく処理する責任を負います。
収集運搬や中間処理・最終処分を処理業者に依頼する場合も、産業廃棄物を引き渡すまで適切に保管しなくてはなりません。
産業廃棄物の保管基準は法律で定められており、違反すると罰せられる可能性があります。

 

そこで本記事では、産業廃棄物の保管基準や具体的な保管方法・注意点などを解説します。
産業廃棄物を排出する排出事業者の方、排出事業者から問い合わせを受ける処理業者の窓口の方は、ぜひ参考にしてください。

 

産業廃棄物の保管基準について

 

産業廃棄物とは、燃え殻や廃油・汚泥・紙くず・廃プラスチック類などの法で定められた20種類の廃棄物です。
産業廃棄物の中でも、爆発性や毒性・感染性・他人の健康や生活環境に係る被害を生ずるおそれがある性質を持つ廃棄物は、特別管理産業廃棄物と呼ばれます。

 

産業廃棄物は、少量であっても悪臭や有害物質の発生を招く可能性があります。
周辺の住民や施設に迷惑をかけず、身体的悪影響を与えないためにも、適切に保管することが重要です。

【関連記事】産業廃棄物と一般廃棄物の違い

 

産業廃棄物の保管基準は、廃棄物処理法の施行規則により定められています。
保管基準に違反すると改善命令の対象となり、命令に従わなかった場合、3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金、またはその両方が科せられます。

 

ここからは、収集運搬までの保管基準のポイントを見ていきましょう。

 

囲いの設置

 

産業廃棄物を保管する場所には、囲いを設置しなくてはなりません。
囲いのサイズや素材などに具体的な定義はないものの、産業廃棄物が生活環境に悪影響を及ぼさないように対策を施すことが求められます。

 

汚泥のように水分を含み粒子が細かい場合はコンクリート性の囲いを用意したり、産業廃棄物が容器に入っている場合は縄やロープを張ったりと、種類や性質・量に合わせて囲いを設けましょう。

また、産業廃棄物が囲いにもたれ掛かり荷重がかかる場合は、十分な構造耐力を備えて安全を確保する必要があります。

なお、プレハブのような小さな建物に産業廃棄物だけを保管している場合は、別途囲いを用意する必要はないでしょう。

ただし、複数種類の廃棄物を保管する場合は、種類ごとに囲いを設けるべきです。

 

掲示板の設置

 

産業廃棄物を保管する場所には、規定サイズを満たし、必要事項が明記された掲示板を見やすい箇所に設置しなくてはなりません。

掲示板の規定サイズは、縦60cm×横60cm以上です。
文字の大きさやフォント・色に指定はないものの、遠くからでも見やすい状態が求められます。

掲示板に記載すべき事項は以下の通りです。

 

    ▽掲示板の記載事項

  • ・産業廃棄物の保管場所である旨
  • ・保管されている産業廃棄物の種類(石綿含有産業廃棄物が含まれる際はその旨)
  • ・保管場所の管理者の氏名または名称と連絡先
  • ・最大保管高さ(屋外で容器を用いずに保管する場合)

 

飛散・流出・地下浸透・悪臭発散の防止

 

産業廃棄物が保管場所から飛び散ったり、流れ出たりしないように適宜対応する必要があります。

また、地下への浸透や悪臭の発散を防止する措置も欠かせません。

 

汚染水の対策

 

保管中に汚水の発生が予想される場合は、公共水域や地下水を汚染しないための対策が必要です。
汚水が地下に浸透しないように排水溝や側溝を設置したり、不浸透性材料によって底面を舗装したりしましょう。

 

他にも、油水分離層などの水処理装置を用いて放水するのも効果的です。
汚水の発生を最小限に抑えるためには、産業廃棄物を容器に入れたり、防水シートをかけたりする方法が考えられます。

 

屋外での保管

 

産業廃棄物を容器に入れず屋外で保管する場合、積み上げる高さに制限があります。

産業廃棄物が囲いに接しないケースでは、囲いの下端からの勾配が50%以内の高さに収めなければなりません。

一方、産業廃棄物が囲いに接するケースでは、囲いの内側2m以内は囲いの高さより50cm以下に、囲いの内側2m以上は勾配が50%以内の高さに収める必要があります。

 

害虫の発生予防

 

産業廃棄物を保管する場所では、ねずみ・蚊・ハエ・その他の害虫が発生しないように対策が求められます。
害虫は衛生環境の悪い場所に発生する傾向があります。
周囲の生活環境にも支障を来しかねないため、産業廃棄物の適切な保管と保管場所の衛生状態の管理が重要です。

 

産業廃棄物の保管方法と注意点

 

産業廃棄物の保管基準を全てクリアするためには、様々な工夫が欠かせません。
ここでは、産業廃棄物を保管する具体的な方法と注意点を見ていきましょう。

 

フレコンバッグ

 

産業廃棄物の保管方法の一つに、フレコンバッグを用いた保管があります。

フレコンバッグとはフレキシブルコンテナバッグの略称で、原料や製品の輸送・保管などに用いられる柔らかい素材(ポリプロピレン・ポリエチレン)でできた袋のことです。

 

円柱型や箱型の袋にベルトがついており、クレーンやフォークリフトで吊り上げて運べます。

上部の投入口の他に下部に排出口がついているものが多く、中身を排出させる時にバッグごとひっくり返す手間がかかりません。

燃え殻や紙くず・木くず・繊維くず・鉱さい・ばいじん・廃プラスチック類など、多くの産業廃棄物はフレコンバッグで保管可能です。

 

フレコンバッグを使う際の注意点は、主に3つあります。

 

1つ目は、使用前に破損や劣化がないかを確認することです。
袋の素材やベルト・ロープなどは、紫外線や雨風・経年により痛んでしまいます。
亀裂やひび割れがあるフレコンバッグを使用すると、吊り上げ時に落下事故が起きたり、中身が流出したりする恐れがあるため、必ずチェックして使いましょう。

 

2つ目は、積み上げ保管についてです。
汚泥など水分を含む産業廃棄物をフレコンバッグで保管する際、積み上げた時の重さで汚水が滲み出る可能性があります。

 

汚水が生じやすい場合は、積み上げを避けるか、フレコンバッグをさらにコンテナに収納し、流出のリスクを抑えた環境に整えます。

また、雪崩れや破損を防ぐため、フレコンバッグは2〜3段程度の高さに控えましょう。

 

3つ目は、固く尖った産業廃棄物の保管についてです。
フレコンバッグは柔らかい素材でできているため、木くずや金属片・コンクリートなどが突出する恐れがあります。

その場合は、パレットの上に置いたり、細かく砕いてから収納しましょう。

 

ドラム缶

 

汚水の流出や、引火・爆発の可能性がある汚泥や廃油などの産業廃棄物は、ドラム缶による保管が適しています。

 

ドラム缶には、固形物や粉末の飛散を防ぐ、取り外し可能な蓋付きのオープンドラム缶や、蓋が固定され充填口から液体を入れられるクローズドラム缶などの種類があります。
草木類や枯葉枯枝などの腐敗性が強い産業廃棄物は蓄熱する恐れがあるため、耐熱性に優れたオープンドラム缶での保管が望ましいです。

 

また、廃酸や廃アルカリは腐食性が強いため、鉄製のドラム缶ではなくプラスチック容器や耐腐食加工されたドラム缶を選びましょう。
ドラム缶よりも容量が小さく、持ち運びに便利な一斗缶やペール缶なども便利です。

 

ドラム缶で産業廃棄物を保管する際は、ドラム缶の状態や周辺環境に注意してください。
ドラム缶は長期間使い続けると、経年劣化により破損や腐敗の恐れがあります。

 

使用前には、ドラム缶の状態に問題がなく安全であることを確かめましょう。

 

また、溶剤系の廃油や有機性廃溶液などの液体は、低沸点でガスを発生しやすいです。
温度上昇によってドラム缶が膨張したり、中身が爆発したりする危険があるため、周辺の温度はこまめに把握しましょう。

 

コンテナ

 

コンテナは、がれき類や木くず・金属くず・ガラスくず・紙くず・繊維くず・ゴムくず・コンクリートくずなど、様々な種類の産業廃棄物が保管できます。
特に、建築現場や解体工事現場では、車両に着脱式のコンテナ(バッカン)が活用されています。

 

一時的に現場に設置された着脱式コンテナに、建築廃材や解体廃材を集め入れた後、車両に装着することで処理施設へ直接運搬することが可能です。
着脱式コンテナは天井部分が剥き出しになっているため、飛散や流出・悪臭や雨水の侵入を防ぐ防水シートでカバーする必要があります。

 

着脱式コンテナ以外にも、蓋付きのプラスチック製コンテナや、頑丈で有害物質や紫外線に強い金属製コンテナなど、バリエーションが豊富です。

 

産業廃棄物の仮置き場に保管表示は必要か

 

産業廃棄物の保管に関しては、法律上「仮置き」という概念は存在しません。
ただし、排出事業者が排出した産業廃棄物を事業場外で保管する場合、保管表示は必要です。

産業廃棄物を一時的に保管する際も、法定の保管基準を守らなくてはいけません。

 

産業廃棄物を仮置きする際は事前届出が必要

 

あらかじめ処理施設などの運搬先が決まっており、一定量で性質が変わらないうちに搬出できる場合、産業廃棄物の事業場外での保管が認められます。
ただし、以下の要件を全て満たす産業廃棄物を仮置きする際は、事前の届出が必要です。

 

    ▽届出が求められる要件

  • ・建設業の産業廃棄物であること
  • ・排出事業者が保管すること
  • ・排出した事業場外で保管すること
  • ・保管場所の敷地面積が300㎡以上であること

 

万が一、都道府県知事に届出なく仮置きした場合、6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられます。
ただし、地震や水害などの非常事態によりやむを得ず行った仮置きは、事後の届出が認められます。

その場合、産業廃棄物を仮置きした日から起算して14日以内の届出が必要であり、違反すると20万円以下の過料が適用となるため注意しましょう。

 

また、仮置きであっても、産業廃棄物の保管基準は全て守らなくてはなりません。
保管場所の囲いや掲示板の設置のほか、公共水域や地下水の汚染・害虫の発生・産業廃棄物の飛散や流出、悪臭を予防する対策が求められます。

さらに、屋外で容器なしで保管する場合は、積み上げられた産業廃棄物を一定の高さ以内に収めなくてはなりません。

 

産業廃棄物は基準を守って正しく保管しよう

 

いかがでしたでしょうか。
今回は産業廃棄物の保管基準を紹介し、具体的な保管の手段や注意点を解説しました。

 

一般廃棄物と異なり、産業廃棄物は特殊な性質を持ち、生活環境の汚染や健康被害・思わぬ事故を招くリスクが潜んでいます。
排出事業者には産業廃棄物を正しい場所で適切に保管する義務があります。
改めて保管基準を確認し、遵守に努めましょう。
また、廃棄物処理業者においても、委託を受けた排出事業者が誤った保管をしていないかどうかを確認することが大切です。

 

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