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産廃処理責任は誰にある?産業廃棄物の排出事業者責任・誰が排出事業者か・工事の場合・資格・廃棄物処理法第12条第5項まで解説

企業の事務所や工場・建設現場などでは、事業活動により日々何らかの産業廃棄物が生じています。

産業廃棄物は一般的なゴミと異なり、法律に定められた手順で処理しなければなりません。

そこで問題となるのが、産廃処理責任(産業廃棄物排出事業者責任)です。

 

 

「産業廃棄物排出事業者はだれが該当しますか?」

「産業廃棄物排出事業者工事の場合はどちらが責任を持つのですか?」

「産業廃棄物排出事業者資格は必要ですか?」

「廃棄物処理法第12条第5項とはどのような規定ですか?」

 

 

本記事では、産廃処理責任に係る責任の所在や、排出事業者が処理を委託する際に注意すべきポイントを解説します。

 

 

 

産廃処理責任は誰にある?:産業廃棄物排出事業者責任

 

産業廃棄物とは、燃え殻や汚泥・廃油・廃プラスチック類・ゴムくず・金属くず・木くずなど法で指定された20種類の廃棄物のことです。

中でも、爆発性・毒性・感染性・他人の健康や生活環境に係る被害を生ずるおそれがある性質を持つ廃棄物は、特別管理産業廃棄物と呼ばれます。

産業廃棄物はたとえ量が少なかったとしても、最後まで適切な方法で処理されなくてはなりません。

 

 

では、産廃処理責任(産業廃棄物排出事業者責任)は誰にあるのでしょうか。

廃棄物処理法(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)では、事業者の責務を以下のように規定しています。

 

 

第三条

事業者は、その事業活動に伴って生じた廃棄物を自らの責任において適正に処理しなければならない。

 

 

第十一条

事業者は、その産業廃棄物を自ら処理しなければならない。

(廃棄物の処理及び清掃に関する法律 昭和45年12月25日法律第137号)

 

 

つまり、産廃処理責任(産業廃棄物排出事業者責任)は、産業廃棄物を排出した事業者にあります。

しかしながら、産廃処理責任を持つ産業廃棄物排出事業者が処理を自社で行える場合は少なく、外部の業者へ処理を委託することが一般的です。

 

 

処理を委託するケースであっても、最終的な産廃処理責任は委託する排出事業者にあることには変わりありません。

廃棄物処理法第12条第5項(廃棄物処理法第12条第5項は、旧来の「第12条の7項」等の改正・整備によりナンバリングが変わっている場合があります。

最新の条文番号はe-Govでご確認ください)では、委託について以下のように規定しています。

 

 

事業者は、前二項の規定によりその産業廃棄物の運搬又は処分を委託する場合には、当該産業廃棄物の処理の状況に関する確認を行い、当該産業廃棄物について発生から最終処分が終了するまでの一連の処理の行程における処理が適正に行われるために必要な措置を講ずるように努めなければならない。

(廃棄物処理法第12条第5項 参照)

 

 

廃棄物処理法第12条第5項が示す通り、産廃処理責任(産業廃棄物排出事業者責任)として、排出事業者は産業廃棄物の運搬・処分の委託先で最後まで正しい処理がなされているかを把握し、必要に応じて措置を講じなければなりません。

排出事業者が産業廃棄物を適切に扱わないと、行政指導や処分・刑事罰の対象となるため、ルールを理解した上での正しい行動が欠かせません。

 

 

※参照元

廃棄物の処理及び清掃に関する法律(e-Gov法令検索)——廃棄物処理法第12条第5項等の確認先

 

 

 

産業廃棄物排出事業者はだれが該当するか:排出事業者の早見表

 

産廃処理責任(産業廃棄物排出事業者責任)を負う「排出事業者」とは、その事業活動によって産業廃棄物を発生させた事業者を指します。

業種・規模を問わず、産業廃棄物を排出する全ての事業者が産業廃棄物排出事業者だれという問いの対象となります。

以下が主な例です。

 

 

産業廃棄物排出事業者だれに該当するか:主な例

産廃処理責任の所在

製造業・工場(製造工程で廃棄物を排出)

自社が排出事業者として産廃処理責任を負う

建設業者(工事で廃棄物を排出・産業廃棄物排出事業者工事)

原則として元請業者が排出事業者

オフィスビル・商業施設の運営者(廃油・廃蛍光管等)

自社が排出事業者として産廃処理責任を負う

医療機関(感染性廃棄物等)

自社が排出事業者として産廃処理責任を負う

 

 

 

📌産業廃棄物排出事業者工事の場合

産業廃棄物排出事業者工事(建設工事)については、廃棄物処理法上、建設工事に伴い生じた産業廃棄物の排出事業者は「元請業者」とされています(廃棄物処理法第21条の3参照)。

産業廃棄物排出事業者工事のケースでは、下請業者が実際の作業を行っている場合でも、元請業者が産業廃棄物排出事業者責任・産廃処理責任を負うとされています。

ただし、一定の要件を満たす場合は下請業者が自ら運搬を行うことも認められる場合があります。最新の扱いは環境省や管轄自治体の窓口でご確認ください。

 

 

📌産業廃棄物排出事業者資格について

産業廃棄物排出事業者資格として、排出事業者自身が産業廃棄物を処理・運搬するために特別な「資格」は一般的には不要とされています。

ただし、自ら収集運搬・処分を業として行う場合は産業廃棄物収集運搬業・処分業の許可が必要とされています。

また、特別管理産業廃棄物を排出する事業者は「特別管理産業廃棄物管理責任者」を置くことが法定されています。

産業廃棄物排出事業者資格の詳細については廃棄物処理法および管轄自治体窓口でご確認ください。

 

 

※参照元

産業廃棄物 排出 事業者 資格・特別管理産業廃棄物管理責任者(環境省)

 

 

 

処理を委託する際に注意するポイント

 

産廃処理責任(産業廃棄物排出事業者責任)を持つ排出事業者が産業廃棄物の処理を外部に委託する際に、注意すべきポイントがいくつかあります。

 

 

委託先の業者が自治体から許可されているかを確かめる

 

産業廃棄物の収集運搬・処分業務は、誰でも行えるわけではありません。収集運搬や処分を業とするためには、管轄する都道府県・政令都市などの自治体による許可が必要不可欠です。また、各業者によって取り扱える産業廃棄物の種類が異なります。

 

 

自治体の許可無く産業廃棄物の収集運搬・処分や許可範囲外の処理を行うと、当事者だけでなく委託した排出事業者も産業廃棄物排出事業者責任として違反と見なされ罰せられます。

委託先の業者が(特別管理)産業廃棄物収集運搬業許可証や(特別管理)産業廃棄物処分業許可証を所持しているか、対象となる産業廃棄物が事業範囲に含まれているかを、契約前にきちんと確かめましょう。

 

 

優良産廃処理業者の認定を受けているかを参考にする

 

通常の許可基準よりも厳しい許可基準に適合する処理業者を認める「優良産廃業者認定制度」というものが存在します。

優良産廃処理業者は、遵法性や事業の透明性・環境配慮への取り組み・電子マニフェスト・財務体質の安全性が認められているため、産廃処理責任を果たすための委託先業者を選ぶ際の指標にすることができます。

優良産廃処理業者に関する情報は「優良さんぱいナビ」や「さんぱいくん」を通して取得できます。

ただし、認定を受けていない業者であっても、法令に則り適切に業務を行っている業者は多くいます。

 

 

※参照元

優良産廃処理業者認定制度のメリット

 

 

必ず委託契約書を作成する

 

産廃処理責任(産業廃棄物排出事業者責任)を果たすために、産業廃棄物の処理を委託する際は必ず委託契約書を作成しましょう。

委託契約は収集運搬業者・処分業者のそれぞれと締結するものです。

委託契約書には、産業廃棄物の種類や量・処理施設の所在地や契約の有効期限・委託者が受託者に支払う料金など、法定記載項目を盛り込まなくてはなりません。

さらに、委託業者の許可証の写しや認定証の写しなど、書面の添付も必要です。

排出事業者は契約の終了日から5年間、契約書の保管が義務付けられています。

最近では電子契約によって保管場所や契約書を探す手間を削減し、業務効率化やコスト削減を進める企業も増えています。

 

 

マニフェストを作成する

 

マニフェストとは、産業廃棄物の収集運搬・中間処分・最終処分などを委託する際に、排出事業者が発行する伝票です。

産業廃棄物排出事業者責任(産廃処理責任)の一環として、マニフェストの作成は不法投棄を防止するために義務付けられています。

また、発行したマニフェストは5年間の保管が必須です。

マニフェストに関する規定に従わなかった場合、廃棄物処理法違反で刑事罰の対象になることもあります。

 

 

※参照元

マニフェストの保管期間と保管方法

電子マニフェストとは?メリット・デメリット

 

 

 

産廃処理責任(産業廃棄物排出事業者責任)には最後まで責任を持とう

 

産廃処理責任(産業廃棄物排出事業者責任)に係る責任の所在や、処理を委託する際に注意するポイントを解説しました。

 

 

廃棄物処理法第12条第5項が示す通り、産業廃棄物排出事業者責任として排出事業者は最終処分が終了するまで産廃処理責任を負います。

産業廃棄物排出事業者だれが該当するか・産業廃棄物排出事業者工事の場合の取り扱い・産業廃棄物排出事業者資格の要否を正しく理解した上で、産業廃棄物の処理については法律で厳格に定められたルールや基準をしっかり把握し、慎重に行動し適切な処理を心がけましょう。

 

 

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