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コラム

配車業務を効率化する配車ソフトのメリット・デメリットと選び方

収集運搬を行う事業者にとって、配車業務の効率化は避けて通れない課題となります。
対応が遅れると、業務効率が低下し、人員不足につながる可能性もあります。
具体的な対策を探している方は多いでしょう。

 

本記事では、配車業務の効率化が求められる背景と、対策として導入されている配車ソフトの概要、導入によるメリット・デメリット、そして自社に合った選び方までを紹介します。
業務効率を高めたい方は、参考にしてください。

 

配車業務の課題

 

日々の配車業務で直面しやすい課題は以下の通りです。

 

考慮すべき条件が多い

 

配車する際に、さまざまな条件を考慮する必要があります。
代表的な条件には、以下のようなものがあります。

 

条件

概要

顧客の要望

顧客の要望にあわせて、場所・時間・車種などを調整する必要がある

ルート

最短距離、最短時間で移動できるルートを見つけなければならない

ドライバーのスケジュール

ドライバーの労働時間、現在地などを考慮して配車する必要がある

車両の制約

案件に適した車両を手配しなければならない

需要の変動

需要の変動を予測して配車する必要がある

交通状況

渋滞、工事などを踏まえてルートを選択しなければならない

 

これらの条件を考慮しなければならないため、配車の効率化は容易ではないとされています。

 

ドライバーとの連携が必要

 

配車業務では、ドライバーとの連携も求められます。
もし連携がうまくいかないと、配車業務全体の効率が低下してしまう可能性があります。

 

特に、ドライバーとの信頼関係が構築できていない場合、業務効率が悪化するだけでなく、ドライバーが不満を感じる原因にもなりかねません。たとえば、ドライバーと緊密に連絡を取り合えていないと、渋滞が発生した際に最適な迂回ルートを指示できなかったり、ドライバーからの配車に関する貴重な意見や改善提案を聞き逃したりする可能性があります。

 

正確さが必要

 

正確性も配車業務における課題の一つです。
正確性が低いと、顧客満足度や業務効率は低下します。

 

たとえば、ルート設定の精度が低いと、移動に時間がかかってしまいます。
配車にあたり、前述の条件を考慮する必要があるため、正確性を確保するには、一定の経験が必要とされています。

 

配車業務の効率化が必要な理由

 

産業廃棄物処理業界などでは、配車業務の効率化が求められています。
主な理由は以下の通りです。

 

ドライバー不足

 

近年、ドライバー不足が継続的に発生しています。
有効な対策の一つとしてあげられるのは配車業務の効率化です。
無駄をなくせば、同じ人数のドライバーでより多くの仕事をこなせます。
ルートを最適化するだけでも、生産性の向上が期待されます。

そのため、配車業務の効率化が必要とされています。

 

関連記事:ドライバー不足の原因と対策|労働環境の改善に向けた取り組みが重要

 

環境への配慮

 

産業廃棄物処理業界も、地球温暖化対策を求められています。
環境省が発表している資料によると、2022年度における廃棄物分野の温室効果ガス排出量は36,683kt(CO2換算)です。
この量は、日本の総排出量の3.2%にあたります。

 

身近な地球温暖化対策としてあげられるのが配車業務の効率化です。
トラックの走行距離を減らせるため、温室効果ガスの排出量を削減できる可能性があります。
環境問題への取り組みとして、顧客に訴求できる要素にもなります。

 

出典:環境省「廃棄物分野における 地球温暖化対策について

 

関連記事:産業廃棄物処理業界が脱炭素化に取り組む上で押さえておくべきポイント

 

物流コストの高騰

 

ガソリン価格、人件費など、運搬に関わるコストが高騰しています。
資源エネルギー庁が発表している資料によると、レギュラー現金価格の推移は以下の通りです。

 

調査日

レギュラー現金価格

(全国平均1リットルあたり・税込)

2025年3月3日

184.1円

2020年3月2日

147.6円

2015年3月2日

139.3円

 

約10年前と比較すると、レギュラー現金価格は44.8円/リットルも上昇しています。

 

また、ドライバー不足にともない、人件費の上昇が続くことも想定されます。
価格に反映できれば理想的ですが、競合他社との兼ね合いで、容易に反映することは難しいと考えられます。
運搬に関わるコストを削減するため、配車業務の効率化が求められています。

 

出典:経済産業省資源エネルギー庁「石油製品価格調査

 

多頻度小口配送化

 

少量の廃棄物を定期的に、または頻繁に回収を希望する排出事業者を主なターゲットに設定している収集運搬業者は少なくありません。
きめ細かな対応ができる点は利点といえますが、トラック1台あたりの積載量は少なくなるため、環境負荷や収集運搬コストの増加が懸念されます。
少量ずつ頻繁に収集運搬する場合も、配車業務の効率向上が求められています。

 

配車システムとは

 

配車業務の効率化を目的として導入されているのが配車システムです。
配車システムは、データを活用して配車計画や運行管理を効率的に行うシステムといえるでしょう。
具体的な機能は製品で異なりますが、AIが配車計画を作成したり、位置情報を活用して運行管理を行ったりする機能などがあります。
配車システムの魅力は、担当者の勘や経験に頼らず配車業務を行えることです。
業務の属人化を防いで、業務効率の向上につながります。

 

配車システムの機能

 

配車システムの主な機能は以下の通りです。

 

主な機能

概要

配車計画、運行計画の作成

車両の積載量、積載率、ドライバーのスキルなどをもとに配車計画や運行計画を作成

自動配車

渋滞予測、指定時間などをもとに無理・無駄のない走行ルートを作成

車両の管理

位置情報などを活用して、リアルタイムで車両の情報、ドライバーの情報を把握

運転技術の分析

データを蓄積して運転技術を分析。ドライバーごとの特徴がわかる

 

これらのほか、原価管理、請求管理など、間接業務をサポートする管理機能を搭載しているものもあります。
具体的な機能は製品で異なるため個別の確認が必要です。

 

配車システム導入のメリット

 

配車システムを導入する主なメリットとして以下の点があげられます。

 

業務効率化

 

最も大きなメリットは、配車業務の効率化です。
配車システムによって、配車計画や走行ルートが自動で作成されるため、業務効率を大幅に高められる可能性があります。
リアルタイムで車両やドライバーの情報を確認できる点もポイントです。
情報共有にかかる手間を削減できるため、ドライバーの負担を減らせます。
「トラックの現在地」「到着する時間」など、クライアントからの問い合わせにも迅速に対応しやすくなります。

 

 

コスト削減

 

配車システムの導入により、コスト削減も期待できます。
さまざまな無駄を削減できるためです。
具体的には、ルートの最適化にともなう燃料費の削減、業務の効率化にともなう人件費の削減につながるとされています。

 

たとえば、配車計画の作成に時間がかからなくなれば、配車担当者の残業代を抑制することが可能となります。
データを蓄積することで、コストがかかりやすいルート、時間がかかりやすいルートなどを把握しやすくなる点も利点といえます。
継続的なコスト削減が可能となります。

 

トラブル防止

 

配車システムを導入すると、予想外のトラブルの未然防止にもつながります
渋滞予測、道路規制情報などを踏まえて、配車システムが走行ルートを提案するためです。
位置情報を活用して、リアルタイムで車両情報を管理できる点もポイントです。
ルート変更などの情報を、ドライバーへ円滑に伝達できます。

 

また、動態管理機能で車両の不具合も検知でき、交通事故の防止にも寄与します。

 

配車システムのデメリット

 

配車システムの導入には、初期費用と月額利用料がかかります。
導入にあたっては、必要なコストと期待される効果を比較検討することが重要です。
導入直後は、操作ミスによるトラブルが発生しやすい傾向があるため、万が一の事態に備え、適切なサポート体制を整備しておきましょう。

 

また、配車システムを導入すると、ドライバーが行動を監視されているなどと感じることがあります。
効果的に使うためにも、機能と導入の目的をあらかじめ説明し、理解を得ることが求められます。

 

関連記事:配車業務を効率化する配車ソフトのメリット・デメリットと選び方

 

【産業廃棄物の収集運搬でお悩みの方へ】『環境将軍R』導入で配車業務を効率化

 

産業廃棄物処理業界の配車業務には、JEMSが提供する基幹システム「環境将軍R」がおすすめです。
環境将軍Rは、以下の配車機能を搭載しています。

 

【機能】

  • ・スポット・定期配車管理
  • ・指示書発行
  • ・コンテナ管理
  • ・配車の進捗確認
  • ・自動配車(オプション)
  • ・デジタル地図連携(オプション)

 

導入によって、以下の効果が期待されます。

 

【導入効果】

  • ・配車業務の属人化を解消する
  • ・配車状況を一目で把握できる
  • ・突発的な回収依頼にスムーズに対応できる

 

環境将軍Rの特徴を詳しく解説します。

 

『環境将軍R』は『LYNA 自動配車クラウド』との連携が可能

 

環境将軍Rは、LYNA自動配車クラウドと連携できます。
LYNA自動配車クラウドは、AIを活用して配車業務を自動化するクラウドサービスです。
連携により次の効果を期待できます。

 

入社1年目でもベテランのような配車表を作成可能

 

LYNA 自動配車クラウドは、企業ごとで異なる制約や条件を踏まえて、何万~何十万のプランを立案・比較し、最も合理的と考えられる配車計画を提案します。
従って、入社1年目のスタッフでも、何十年も経験を積んだベテランスタッフが考えたような配車表を作成できます。
スタッフの質に左右されず、安定した品質で配車表を作成できる点は、導入の利点といえます。

 

50台分の配車が30秒で

 

LYNA 自動配車クラウドは、物流の現場で磨き上げられたAIエンジンを搭載しています。
高速処理により、配車計画の作成時間を短縮できるため、産業廃棄物処理業界特有の複雑な制約・条件が加わっても、数十秒で配車計画を作成できます。
50台分の配車にかかる時間は30秒程度です。
配車業務の負担を大幅に軽減できるでしょう。

 

最適な配車計画で働き方改革にも

 

システムの設定を調整していくことで、業務にあわせた配車表を作成できます。
データを活用して、ドライバー間の業務の偏りを解消できるため、働き方改革にもつながります。
慢性的なドライバー不足に対応できる点も環境将軍Rの強みです。

 

配車システムの選び方

 

配車システムには、さまざまな選択肢があります。
基本的な選び方を解説します。

 

コスト

 

前述の通り、配車システムを導入すると初期費用と月額利用料がかかります。
具体的な金額は、サービスやトラックの台数などで異なり、機能が増えるにつれて、コストが上昇する傾向があります。

配車システムのコストを評価するときは、費用対効果を考えることが大切です。

 

たとえば、初期投資が高額であっても、配車業務が大幅に効率化され、生産性が向上するのであれば安価と捉えることもできます。
システムの価格のみに着目せず、総合的に評価することが求められます。

 

操作性

 

配車システムの操作性も事前に確認すべき重要な要素の一つです。
充実した機能を搭載していても、操作性に問題がある場合、円滑な運用が難しくなります。
操作ミスによるトラブルも起こりやすくなります。
実際に操作する配車担当者やドライバー目線で選ぶことが大切です。

 

配車システムの中には、パソコン操作に不慣れな方でも直感的に扱えるものがあります。
操作性を確かめたい場合は、試用期間を設けている製品を選定することで、操作性を事前に確認できます。

 

GPSのタイプ

 

GPSのタイプは、主に以下の2種類に分類されます。

 

【GPSのタイプ】

  • ・スマートフォンなどに配車アプリをインストールするタイプ
  • ・車載器、専用端末を利用するタイプ

 

前者は、導入しやすい点が利点とされています。

ただし、従業員が使用している端末を利用する場合は、情報漏えいなどに注意が必要です。
後者の例として、シガーソケットに接続するものやデジタルタコグラフにGPS機能を組み込んだものなどがあげられます。
デジタルタコグラフを利用するものは、記録したデータを用いて運行日報を作成できます。

 

提供タイプ

 

配車システムは、インストール型とクラウド型に分類されます。
インストール型はパソコンなどに配車システムのソフトをインストールするタイプ、クラウド型はインターネットを介して配車システムを利用するタイプです。
両者には以下の違いなどがあります。

 

比較ポイント

インストール型

クラウド型

インストール

必要

不要

通信環境

不要

必要

主なユーザー

配車担当

配車担当・ドライバー

使用できる場所

事務所など(制限あり)

場所を問わず

カスタマイズ性

高い

低い

アップデート

手動

自動

セキュリティ担当

自社

サービス提供元

価格

割高

割安

 

インストール型は自社のビジネスにあわせてカスタマイズしたい企業、クラウド型はコストを抑えたい、あるいはセキュリティ管理を外部に委託したい企業などに向いています。

 

配車ソフトを活用して配車業務を効率化

 

本記事では、配車業務の効率化について解説しました。
慢性的なドライバー不足と物流コストの高騰が進む現代において、 配車業務の効率化は収集運搬を行う事業者にとって欠かせない取り組みになっています。
配車業務の効率化に向けて対策を検討しているのであれば、配車ソフトの導入が一つの有効な手段となります。

 

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産廃ソフト(産業廃棄物管理システム)をお探しの方はぜひご相談ください。

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