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2021.12.01

コラム

【産業廃棄物収集運搬業】許可の有無や申請方法・業務上の義務

事業活動を通して生じた不要物は産業廃棄物とみなされ、事業者は責任を持って最後まで適切に処理しなくてはいけません。
処理工程の中の収集運搬は、廃棄物を処分場まで運ぶ役目を果たし、事業として行うためには許可が必要です。

 

そこで本記事では、産業廃棄物の収集運搬業の業務内容や、許可申請の流れなどについて解説します。
これから収集運搬業を始める方、すでに許可を持っていて業務上の義務をおさらいしたい方は、ぜひ参考にしてください。

 

産業廃棄物の収集運搬とは

 

燃え殻や金属くず・廃プラスチック類やがれき類など20種類の不要物は、法令により産業廃棄物と定められています。
産業廃棄物は、焼却や圧縮・溶解・脱水などの中間処分を行った後、リサイクルされるか最終処分場に埋め立てられます。
この中間処分場・最終処分場に廃棄物を搬出する工程が、収集運搬です。

 

廃棄物を保管場所から回収し、処分場へと運ぶのが基本的な業務内容ですが、途中で廃棄物を一度車から降ろし、一時保管や別の車両に積み替えるケースもあります。
積み替えを行う際は、囲いの設置された場所で行うことや周辺に飛散・流出しないよう対策を講じることなどが、基準として設けられています。

 

収集運搬にはトラックなどの車両が多く用いられますが、船舶や鉄道を利用することもあります。
いずれの場合でも、産業廃棄物の性質に合わせて運搬方法を選ぶことが重要です。

 

【関連記事】産業廃棄物の中間処理とは

 

産業廃棄物収集運搬業の許可について

 

産業廃棄物の収集運搬を業として行う場合、都道府県からの許可が欠かせません。
許可を得るためには、施設に関する基準と申請者本人の能力に関わる基準を満たす必要があります。
具体的な条件は以下の通りです。

 

収集運搬業許可の条件

 

  • ・事業を的確に行うための知識・技術を備えている
  • ・事業を的確に継続して行うための経理的基礎を備えている
  • ・欠格条項に当てはまらない
  • ・生活環境の保全に支障をきたさない施設を備えている

 

知識や技術条件に関しては、公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センターの講習会で収集運搬課程を受講し、修了証を受領すればクリアできます。
事業に収益性がなく経営状態が悪い場合は、経理的基礎がないとみなされるかもしれません。
暴力団員や破産者など欠格条項に一つでも該当する場合は、許可が下りず、許可後に該当した場合も資格が取り消されます。

 

施設とは運搬に用いる車両や容器、駐車・洗車施設などを含みます。
これらの施設は、廃棄物の飛散・流出や悪臭・騒音・振動などの恐れのない適切な状態であることが不可欠です。

 

収集運搬業に関わる法令を違反した場合、重い罰則が科されます。
例えば、許可に含まれない産業廃棄物を収集運搬した場合、事業範囲の無許可変更として、5年以下の懲役または1000万円以下の罰金またはその併科となります。
産業廃棄物の収集運搬業を始める際は、関連法令の確認と遵守が肝心です。

 

産業廃棄物収集運搬業の許可申請の流れ

 

産業廃棄物は廃棄物処理法で定められた20種類に加え、爆発性・毒性・感染性など生活に支障をきたす恐れのある性質を持つ「特別管理産業廃棄物」が存在します。
これに該当する廃棄物は処理に関する規定が異なり、収集運搬業の許可もそれぞれ必要です。

 

許可申請は個人法人どちらも都道府県知事に対して行います。
産業廃棄物の収集運搬は都道府県をまたぐ広域活動が認められていますが、その際は廃棄物を回収する場所・降ろす場所の2つの都道府県からの許可が必須です。

 

許可申請の際は、許可申請書と事業計画書を窓口に提出します。個人の各種証明書が必要な場合もあり、早めの準備がおすすめです。
申請は予約制のケースもあるため、問い合わせて確認しましょう。

 

収集運搬業の新規許可申請には81,000円の手数料がかかります。
申請後は審査が行われ、許可が下りるまでには3ヶ月程度かかると言われています。
複数の都道府県へ申請する場合、許可取得のタイミングがズレる場合があります。
事業開始時期に影響する可能性がありますので、注意が必要です。

 

産業廃棄物の収集運搬業の許可は、有効期間が5年間です。
事業を継続する場合は、期間満了日の2〜3カ月前までに更新許可申請を行いましょう。

 

許可が不要な場合

 

産業廃棄物の収集運搬には、許可が要らない場合もあります。
ここでは、許可が不要なケースを見ていきましょう。

 

排出事業者が自社運搬する場合

 

産業廃棄物の処理は、廃棄物処理業者に委託するのが一般的です。
しかし、排出した事業者自身が産業廃棄物の処理を行うこともできます。
自社から出た廃棄物を自ら処分場へと運搬する場合は、許可が必要ありません。

 

自社運搬する際の注意点について

 

自社運搬では許可が要りませんが、政令で定める産業廃棄物の処理・運搬に関わる基準に従う義務があります。
そのため、運搬する際のルールは収集運搬業者に課されるものと同じです。
飛散・流出・悪臭・騒音・振動など生活環境の保全に支障をきたさないことや、後述する運搬車の義務を遵守しなくてはいけません。

 

また、自社運搬をする前提として、生じた廃棄物が自社のものであるかどうかを確かめることが重要です。
例えば、建設工事現場で出た廃棄物の排出事業者は、原則「元請事業者」です。
下請けとして入った工事現場で生じた廃棄物を収集運搬業の許可なく運搬した場合、自社以外の廃棄物を運んだことになり、法令違反とみなされます。
気づかないうちに法令を破ってしまったという事態にならないよう、慎重に判断しましょう。

 

専ら物を運ぶ場合

 

産業廃棄物の中でも、古紙、くず鉄(古銅などを含む)、あきびん類、古繊維の4種類は「専ら物」と呼ばれます。
専ら物は資源回収・再生利用の対象であり、収集運搬に許可が不要です。

 

また、料金を徴収して回収した場合でも、マニフェストは必要ありません。
ただし、専ら物の収集運搬業を受託する場合は、委託契約書を作成し、法令に則った適切な処理を行わなくてはいけません。

 

また、室内保管の新聞紙は専ら物であっても、日焼けや雨で状態が悪い新聞紙は通常の廃棄物として扱われます。
収集運搬の際、前者では許可が要らない一方、後者では許可が欠かせません。
誤って無許可営業とならないように、両者の区別を明確にしましょう。

 

有価物を運ぶ場合

 

有価物の収集運搬には、営業許可が不要です。
しかし、廃棄物と有価物の判断基準はやや曖昧であり、許可の有無も難しい論点です。

 

一般的に、廃棄物とは自分が使ったり、他人に有償で譲ったりできないため不要になった物を指します。
一方で有価物とは、他人に買い取ってもらえるほどの価値を有する物と考えられます。
物が使えるかどうかの判断はあくまで主観的であるため、廃棄物処理法では5つの基準を提示し、有価物性を総合的に判断するよう求めています。

 

5つの判断基準は以下の通りです。

 

有価物性の判断基準

 

  • ・物の性状(十分な品質管理・生活環境の保全に支障なし)
  • ・排出の状況(適切な保管・計画的な排出)
  • ・通常の取扱い形態(製品としての市場を形成)
  • ・取引価格の有無(取引の経済的合理性・実績)
  • ・占有者の意思(適切利用・有償譲渡の意思)

 

特に大きな判断目安となるのが、取引価格の有無です。
売却代金と運送費用を相殺した時に、排出側に収入があれば有価物性があると考えられます。
ただし、あくまで総合判断説のため、他の基準とも照らし合わせた判断が重要です。

 

許可なしで運ぶために、廃棄物を恣意的に有価物として運ぶのは法令違反です。
有価物と説明できるエビデンスが不足する場合には、廃棄物として運ぶ方が安全でしょう。

 

産業廃棄物収集運搬車の義務

 

産業廃棄物を収集運搬する車両にも規定があります。
ここでは、収集運搬車の義務について見ていきましょう。

 

車両表示

 

産業廃棄物を収集運搬する車両は、両側面にその旨を表示しなくてはいけません。
加えて、収集運搬業者の場合は業者名と許可番号下6桁を、自社運搬の場合は排出事業者名を表示します。
識別しやすい色で見やすく、鮮明に印刷された文字であることが求められます。

 

書類携帯

 

自社運搬の場合は、以下の内容を記載した書類を常時携帯しなくてはいけません。

 

書類に書く項目

 

  • ・氏名または名称
  • ・住所廃棄物の種類と数量
  • ・積載日
  • ・積載事業場と運搬先事業場それぞれの名称・所在地・連絡先

 

また、収集運搬事業者はマニフェストと許可証の写しを携帯する義務があります。

 

車両表示・書類携帯を怠った際の罰則

 

上記の義務を遵守しなかった場合、廃棄物処理法違反とみなされ、行政命令(改善命令や営業停止処分)の対象となります。
さらに行政命令に従わなかった場合は、刑事罰が科されます。
各地で定期的な路上検問も実施されていますので漏れがないよう注意しましょう。

 

申請の方法

 

申請方法や提出書類などは都道府県によって異なる場合があります。
また、審査の厳しさもさまざまです。
申請の際は、各都道府県のHPなどで必要な情報を確認してから、申請準備を行いましょう。

 

産業廃棄物の処理はルールを理解して正しく行う

 

いかがでしたでしょうか。
今回は産業廃棄物の収集運搬業について解説しました。
許可の要件や申請方法、業務上の義務についてお分かりいただけたかと思います。
とくに、業務上の義務は、日ごろ当たり前に行っていることのため曖昧になってしまうこともあるのではないでしょうか。
産業廃棄物の処理は、法令で厳しく定められ、煩雑な手続きも多いです。
改めて理解することで、思わぬルール違反を防ぎましょう。

 

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