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安定型産業廃棄物とは?品目や処理施設の特徴

事業活動に伴って生じる廃棄物のうち、法令で定められた20品目を「産業廃棄物」と呼びます。産業廃棄物は、安定型産業廃棄物・管理型産業廃棄物・特別管理産業廃棄物の3種類に分けられており、排出や処理方法が細かく規定されています。

 

本記事では、その中でも安定型産業廃棄物について詳しく解説します。概要や具体的な品目、それらを取り扱う最終処分場の特徴などを紹介していますので、安定型産業廃棄物の排出を見込む排出事業者の方や、排出事業者からの問い合わせが多い処理業者の方は、ぜひ参考にしてみてください。

 

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安定型産業廃棄物とは

 

廃棄物処理法により、産業廃棄物は20の品目に分類されています。「安定型産業廃棄物」とは、この20品目のうち、廃棄物の性質・状態が安定していて、そのまま土の中に埋めることのできる5品目の廃棄物のことを指します。

 

雨や水にさらされても、成分の溶出・腐敗・分解などの恐れがないため、埋め立て後にガスが発生したり、地下水が汚染されたりすることはありません。つまり、生活や環境への影響を及ぼしにくい廃棄物と言えます。ただし、有機物が混ざっている、有害物質が付着しているといった場合には、安定型産業廃棄物として取り扱うことができません。

 

安定型産業廃棄物の定義に当てはまらない産業廃棄物は、「管理型産業廃棄物」として区別されますが、安定型・管理型という分け方は、法律で決められているものではありません。一方で、毒性や感染性・爆発性などの危険性がある廃棄物については「特別管理産業廃棄物」と区分され、こちらは法律により品目が定められています。

 

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安定型産業廃棄物の品目

 

一般に「安定型産業廃棄物」と呼ばれるものは、20品目の産業廃棄物のうちの5品目です。ここでは、それぞれの廃棄物の特徴や、具体例をご紹介します。

 

【安定型産業廃棄物の品目】

  • ・がれき類
  • ・ゴムくず
  • ・廃プラスチック類
  • ・ガラス・コンクリート・陶器くず
  • ・金属くず

 

まず1つ目は、がれき類です。建設現場で発生する廃棄物の一種で、家屋の新築や改築、ビルの解体・建て替えなどで生じるものです。コンクリートやアスファルトの破片、レンガの破片などを指しています。ただし、がれき類は再生利用率が高いため、最終処分場で処理される量はそれほど多くありません。

 

2つ目は、ゴムくずです。ゴム製のもの全てがゴムくずとして扱われるわけではなく、天然ゴムを原料としたもののみが対象です。代表的な例としては、生ゴム・天然ゴムを扱う工場から出される、ゴムの裁断くずなどが当てはまります。

 

3つ目は、廃プラスチック類です。合成樹脂くず、合成ゴムくずなど、合成高分子系化合物の廃棄物は全てこれに当てはまります。これらの原料は原油で、素材としてはポリエチレンやポリプロピレンなどが挙げられます。種類は多岐にわたりますが、プラスチック製品の製造や加工のプロセスで出るスクラップや、フィルムなどの包装用資材・容器、使用後に破棄されたコンテナ類、廃タイヤなどです。リサイクル方法がある程度確立されているため、埋め立て以外の選択がとられる場合もあります。

 

4つ目は、ガラス・コンクリート・陶磁器くずです。例としては、破損した窓ガラスや、製造過程で生じるガラス・陶磁器製品の不良品や廃棄品が挙げられます。また、小売業などで廃棄されるガラス瓶なども含まれます。コンクリートくずは、最初にご紹介した「がれき類」でも対象になっていますが、建築現場で出されたものはがれき類、それ以外の場所から出たものがこちらに分類されます。

 

5つ目は、金属くずです。主に鉄で構成されている鉄くずをはじめ、アルミ・ステンレス・真鍮・銅など多くの種類があり、排出される場所もさまざまです。例えば、解体工事で出る鉄筋、自動車やスチール缶など、金属の加工工場で発生するスクラップ類、ダライ粉と呼ばれる金属の削りかすなどが対象です。

 

産業廃棄物の排出事業者には、産業廃棄物を正しい場所で適切に保管する義務があります。
産業廃棄物の保管基準は法律で定められており、違反すると罰せられる可能性があります。

こちらの記事では、産業廃棄物の保管基準や注意点などを解説しています。
ぜひご覧ください。

【関連記事】
産業廃棄物の保管基準とは?仮置き時の保管表示や事前届出もチェック

 

安定型産業廃棄物を処理する施設について

 

そもそも廃棄物の最終処分場、つまり埋め立て処理を行う施設には、安定型・管理型・遮断型という3つの分類があります。それぞれのタイプによって構造が異なり、取り扱える産業廃棄物の種類が決められています。産業廃棄物の安定型・管理型という区別は、この最終処分場のタイプに由来しています。

 

安定型産業廃棄物は、安定型最終処分場と呼ばれる施設で処理が行われます。ここからは、安定型最終処分場の特徴や、処理方法について解説していきます。

 

安定型最終処分場の特徴

 

安定型最終処分場の特徴は、3つのタイプの中でもっともシンプルな構造を持っている点です。管理型・遮断型のように、環境に悪影響がある産業廃棄物を対象とした処分場の場合は、遮水シートを設置して地下水の汚染を防いだり、コンクリートで周囲を覆って雨水の流入を防止したりする必要があります。

 

一方で、安定型最終処分場は、有害物質を含まず、化学的変化が起こらない廃棄物の処理を前提にしているため、仕切りのような構造を必要としません。地中の空間にそのまま埋め立てることができます。また、廃棄物の層を通った雨水などの集排水設備も不要です。しかしながら、有害物質が混入していた場合は、構造上すぐに土壌汚染に繋がってしまいます。

 

そのため、本当に地下水が汚染されていないかどうかのチェックが必要となります。定期的な水質検査やモニタリングのため、処理施設に浸透水の採取設備を設置するよう定められています。併せて、安定型産業廃棄物以外の廃棄物が混ぜられていないかをチェックするため、搬入物の展開検査も義務付けられています。

 

安定型最終処分場での処理方法

 

安定型最終処分場の処理方法は非常に単純です。穴を掘って産業廃棄物を埋め、その上に覆土を被せるという処分方法がとられています。管理型・遮断型と比べると、処分費用は比較的安価です。

 

安定型産業廃棄物は適切な取り扱いと排出を

 

いかがでしたか。安定型産業廃棄物の品目や、最終処分場の特徴についてご紹介いたしましたが、参考になりましたでしょうか。

 

安定型産業廃棄物には、がれき類や廃プラスチック類など、多品目の廃棄物が含まれます。また、種類が多岐にわたるため、さまざまな事業・現場から排出される可能性があります。

 

それらを埋め立てる安定型最終処分場は、管理型・遮断型の最終処分場と比較して構造が単純です。そのため、環境汚染に繋がる有害物質の混入を回避しなければなりません。産業廃棄物の排出事業者は、決められたルールを遵守し、廃棄物を適切に取り扱うことが求められます。

 

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