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産業廃棄物適正処理推進センター基金とは?仕組み・関連機関(日本産業廃棄物処理振興センター・産業廃棄物処理事業振興財団)・WDS・講習まで解説
産業廃棄物の不法投棄は現在も継続している問題です。
毎年、新たな不法投棄事案が発生しています。
この問題を解決するため活用されているのが、産業廃棄物適正処理推進センター基金とはどのようなものかを理解した上で関わる制度です。
「産業廃棄物適正処理推進センター基金とはどのような基金ですか?」
「日本産業廃棄物処理振興センターや産業廃棄物処理事業振興財団とはどのような機関ですか?」
「産業廃棄物処理事業振興財団の理事長は誰ですか?」
「廃棄物処理法との関係は?」
「廃棄物データシート(WDS エクセル)はどこで入手できますか?」
「資源循環とはどういうことでしょうか?」
「産業廃棄物収集運搬講習申し込みはどこで行えますか?」
ここでは、産業廃棄物適正処理推進センター基金とはどのようなものか・概要や仕組み・活用状況などを解説しています。
< 目次 >
産業廃棄物の不法投棄の現状
環境省は都道府県および政令指定都市の協力を得て、産業廃棄物の不法投棄などについて調査を実施し、結果を公表しています。
具体的な調査項目は以下の3点です。
・新たに判明した不法投棄等事案
・新たに判明した不適正処理事案
・年度末時点の不法投棄等事案の残存量
令和3年度の調査結果は次のようになっています。
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調査項目 |
調査結果 |
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新たに判明した不法投棄等事案 |
不法投棄件数:107件、不法投棄量:3.7万トン |
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新たに判明した不適正処理事案 |
不正処理件数:131件、不適正処理量:9.4万トン |
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年度末時点の不法投棄等事案の残存量 |
残存件数:2,822件、残存量:1,547.1万トン |
廃棄物処理法による罰則の厳格化等により、不法投棄の件数や量は一定の減少が見られましたが、平成25年度の不法投棄件数159件・不法投棄量2.9万トンあたりから、ほぼ横ばい状態とされています。
※参照元
・産業廃棄物処理業界がDXを求められる理由とDXを進めたい業務
産業廃棄物適正処理推進センター基金とは?関連機関:日本産業廃棄物処理振興センター・産業廃棄物処理事業振興財団
不法投棄が生活環境保全上の問題を引き起こし、原因者などがわからない場合は都道府県などが行政代執行を実施します。
その費用の一部は、国の補助金と産業界の出捐金により積み立てられた基金から賄われます。
これが産業廃棄物適正処理推進センター基金とは何かを示す制度の核心です。
産業廃棄物適正処理推進センター基金とは何かについて、廃棄物処理法(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)では次のように定められています。
第十三条の十五 適正処理推進センターは、第十三条の十三各号に掲げる業務に関する基金を設け、これらの業務に要する費用に充てることを条件として事業者等から出えんされた金額の合計額をもつてこれに充てるものとする。
2 環境大臣は、前項に規定する基金への出えんについて、事業者等に対し、必要な協力を求めるよう努めるものとする。
※参照元
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【産業廃棄物適正処理推進センター基金とは:関連機関について】
①日本産業廃棄物処理振興センター 産業廃棄物適正処理推進センター基金とは別に、廃棄物処理法に基づき指定された産業廃棄物処理の振興・支援を行う団体です。 産業廃棄物収集運搬講習申し込みをはじめとした各種研修・講習事業を行っています。
②産業廃棄物処理事業振興財団 産業廃棄物処理事業の振興・適正処理の推進を目的とした公益財団法人です。 産業廃棄物処理事業振興財団の理事長は誰ですか?という疑問については、財団の公式サイトでご確認ください(役員情報は随時更新されます)。 |
※参照元
・日本産業廃棄物処理振興センター(産業廃棄物収集運搬 講習 申し込み等)
・ 産業廃棄物処理事業振興財団(産業廃棄物処理事業振興財団の理事長は誰ですか?等の確認先)
産業廃棄物適正処理推進センター基金とはどのような仕組みか
産業廃棄物適正処理推進センター基金とは、国の補助金と産業界の出捐金で成り立っています。
毎年度の基金の造成割合目標は「産業界:国=4:3」です。
都道府県・政令市からの協力要請を受けて、行政対応に大きな問題がない場合などに限り財政支援を行っています。
基金からの補助率は7/10です。
残りの3/10は都道府県・政令指定都市が負担します。
産業廃棄物適正処理推進センター基金とはどのように費用を分担するかについては「産業界:国:都道府県・政令市=4:3:3」が支障除去等の措置にかかる費用の負担割合となります。
なお、財政支援の対象となるのは平成10年6月17日以降に発生した事案に限られています。
※参照元
・環境省「不法投棄等の支障除去等事業に対する財政支援(産業廃棄物適正処理推進センター基金)について」
産業廃棄物適正処理推進センター基金とはどのようなメリットをもたらすか
産業廃棄物適正処理推進センター基金とはさまざまなメリットをもたらす制度です。
代表的なメリットといえるのが、行政代執行にかかる財政負担を抑えられるため行為者に対して措置命令を出しやすくなることです。
生活環境保全上の問題を速やかに解決できる可能性があります。
行政代執行に対する地域の理解を得やすくなる点もメリットといえるでしょう。
産業廃棄物適正処理推進センター基金とはどのように地域の理解を促すかという観点では、他府県から流入した産業廃棄物(不法投棄)に当該自治体が行政代執行で対処しようとする際、地元関係者から財源の問題を指摘されることが少なくありません。
同基金を活用すれば当該自治体の負担を抑えられるため理解を得やすくなります。
また、廃棄物処理法に基づく基金の仕組みを説明することで、不法投棄と向き合っている産業廃棄物業界に対する信頼も高まります。
以上のほかでは、財政支援の対象を「行政対応に大きな問題がない場合など」に限定している点もポイントです。都道府県などに、適正な対処を促す制度となっています。
※参照元
・廃棄物処理法違反とは?主な例や罰則と具体的な事例をチェック
産業廃棄物適正処理推進センター基金とはどのくらい活用されているか
環境省の発表によると、平成11年から令和3年までの支援件数合計は110件・支援額合計は5,845,637,000円です。
支援額の割合が高い廃棄物種別は以下のようになっています。
・1. 混合廃棄物:49.4%
・2. 硫酸ピッチ等:16.8%
・3. 廃プラスチック等:11.8%
・4. 汚泥:7.5%
・5. 廃油等:4.0%
・6. 木くず:4.0%
令和2〜3年度実施事業として、神奈川県の事案があげられます。
平成28年2月頃から大量の建設系廃棄物を不正に保管していた無許可業者に対し、平成29年12月に神奈川県は廃棄物の撤去を命じる措置命令書を発出しました。
その後、命令が履行される見込みはなかったため、神奈川県は行政代執行実施に向けて産業廃棄物適正処理推進センター基金を活用して支援を受けています。
本事案における支援額は134,793,000円です。
※参照元
産業廃棄物適正処理推進センター基金とは関連する実務情報
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【廃棄物データシート(WDS エクセル)について】 廃棄物データシート(WDS エクセル)の様式・記載例は日本産業廃棄物処理振興センターや産業廃棄物処理事業振興財団等の公式サイトでご確認いただける場合があります。 |
※確認先
・廃棄物データシート(WDS エクセル)・様式の参考(日本産業廃棄物処理振興センター)
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【資源循環とはどういうことでしょうか?】 廃棄物処理法はこの考え方に基づく「循環型社会」の実現を目的の一つとしています。
【産業廃棄物収集運搬講習申し込みについて】 産業廃棄物収集運搬業の許可取得に必要な講習として、JWセンターの公式サイトから受け付けているとされています。 |
※確認先
・ 産業廃棄物収集運搬 講習 申し込み(公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センター)
産業廃棄物適正処理推進センター基金とはまとめ:不法投棄撲滅に向けた基金
産業廃棄物適正処理推進センター基金とはどのような制度かについて解説しました。
産業廃棄物適正処理推進センター基金とは、不法投棄された産業廃棄物による支障を除去するため都道府県が行政代執行をするときに費用の一部を補助する基金です。
廃棄物処理法第13条の15に基づく制度であり、日本産業廃棄物処理振興センターや産業廃棄物処理事業振興財団などの関連機関とともに産業廃棄物の適正処理・資源循環の理念の実現を支えています。
基金は国の補助金と産業界の出捐金で成り立っています。
産業廃棄物適正処理推進センター基金とはどのようなメリットをもたらすかについては、都道府県などが措置命令を出しやすくなる・産業界に対する信頼が高まるなどの効果があります。
令和3年までに合計で110件の支援が実施されています。
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