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コラム

産業廃棄物処理業界の経理業務の負担はなぜ減らない?― 請求管理とマニフェスト管理の見直しで変わること

 

私たちは日々、廃棄物処理業者の経理や総務といった

管理部門の方々とお話しする機会があります。

 

その中で、次のような声をよく耳にします。

 

「毎月の請求と入金確認に加え、

電子マニフェストの確認も重なり、数字を振り返る余裕がありません

「制度改正のたびに、今の管理方法で本当に大丈夫なのか不安になります」

 

産業廃棄物処理・リサイクル業界では、

請求管理だけでなく、マニフェスト情報の確認や保存義務・法令対応まで求められます。

 

つまり経理は、「お金の管理」だけでなく、

「処理内容の裏付け」と「法令遵守」の確認も担っています。
そのため業務はどうしても複雑になりやすいのです。

 

今回は、請求管理とマニフェスト管理という二つの視点から、

多くの事例を支援してきたJEMSが、産業廃棄物処理業界の経理の負担を軽くするヒントをお伝えします。

 

 

 

 

今月も、請求とマニフェスト確認で精一杯…

 

ある廃棄物処理業者の経理担当者の様子を見てみましょう。

 

月末。

経理担当者は、いつものように請求書の作成に取りかかります。

 

現場から届いた処理実績データを確認し、

契約条件をまとめたExcelを開き、

電子マニフェスト(JWNET)の登録状況をチェックします。

 

たとえば、
・廃プラの中間処理
・金属くずの受入処理
・汚泥処理
など、品目や処理方法によって単価は異なり、契約形態も排出事業者ごとに違います。

 

さらに、
・数量と計量データが一致しているか
・電子マニフェストの登録は完了しているか
・処理区分は正しいか
を確認しながら請求書を作成します。

 

請求書を発行したあとは入金確認へ。
会計ソフトで入金状況を確認し、未回収一覧へ転記していきます。
同時に、マニフェストの登録漏れや遅延の確認も行います。

 

気づけば、
・会計ソフト
・基幹システム
・電子マニフェスト(JWNET)
・Excel管理表
と、複数の画面を行き来していました。

 

確認は正確にできている。
しかし、とにかく時間がかかる。
これが多くの現場の実情です。

 

産業廃棄物処理業界の経理が複雑になる構造的理由

 

産業廃棄物処理・リサイクル業界には、

経理業務を複雑にする要因がいくつもあります。

 

・品目ごとに単価が違う

・契約条件が案件単位で異なる

・スポット処理が多い

・排出事業者ごとに運用が違う

・電子マニフェスト対応が必要

・法令改正・制度変更への対応が続く

 

つまり、産業廃棄物処理業界の経理業務は、

「金額管理」と「処理内容の管理」が密接に結びついているという、業界特有の構造を持っているのです。

 

「金額」と「処理内容」の管理が、バラバラになっていませんか?

 

 

ここで、少しだけ例えで考えてみましょう。

 

引っ越しの荷物を運ぶ場面を思い浮かべてください。

 

「箱は全部で10箱あります」と聞けば、全体の量は分かります。
しかし、それだけでは中身までは分かりません。

 

そこで箱ごとに、「食器」「本」など、中身が分かるメモを貼ります。
箱の数だけ分かっていても、

中身が分からなければ安心して運べないからです。

 

廃棄物処理業者の経理業務も、これとよく似ています。

 

請求管理は「箱の数」、マニフェスト管理は「箱の中身」。
ところが多くの現場では、この二つを別々に確認しているケースが見受けられます。

 

その結果、
「金額は合っている、でも処理内容の確認は別画面」
という状態になり、確認のたびに行き来が発生してはいないでしょうか。

 

経理担当者が本当に知りたいのは、
「この金額は、どの処理に基づくものか」
「その処理は、法令上問題ないか」
が一度に確認できる状態ではないでしょうか。

 

振り返ってみると、
・請求書は作っている
・入金確認もしている
・未回収一覧も管理している

 

それでも、請求とマニフェスト情報をセットで見る機会は、実はそれほど多くないのかもしれません。
そうした状況は、この業界において決して珍しいことではないようです。

 

請求とマニフェストを一緒に整える3つのポイント

 

 

請求管理とマニフェスト管理を見直すだけで、

途中で探したり、確認したりする手間は大きく減らすことができます。

 

ここからは、現場ですぐに取り組める具体策を整理します。

 

①請求番号・処理実績・マニフェスト番号を結びつける

 

まずは、
・請求番号(お金)
・処理実績(数量・品目)
・マニフェスト番号(法令上の記録)

 

この3つの対応関係を一覧で結びつけることから始めます。

 

多くの現場では、
「この請求、どの実績だったかな?」
「この実績、マニフェストでは何番だった?」
と、都度確認が発生しています。

 

しかし、3つの対応関係が一覧で分かるだけでも、
「どの処理内容に対する請求なのか」
「どのマニフェストに基づく請求なのか」
が一目で確認することができます。

 

Excelでも構いません。
まずは「対応関係が見える状態」をつくることが重要です。

 

②単価と計算ルールを“記憶”ではなく“共通フォーマット”で管理する

 

産業廃棄物処理業では、品目や処理方法によって単価が異なります。

 

たとえば、
・廃プラは単価A
・金属くずは単価B
・汚泥は別の計算方法
といった具合に、案件ごとにルールが変わります。

 

この計算ロジックを担当者の記憶に頼っていると、
・引き継ぎ時に混乱が起きる
・確認作業が属人化する
・請求確認に時間がかかる
といった問題が起こります。

 

単価や計算方法を共通フォーマットで管理し、
・契約条件
・単価
・計算方法
・請求のタイミング
を明文化するだけでも、属人化は大きく減ります。

 

「覚えている人がいないと分からない」状態をなくすだけでも、請求確認のスピードは変わります。

 

③入金・請求・マニフェストの“状態のズレ”を一覧で見る

 

請求とマニフェストを分けて管理していると、

次のような状態が見えにくくなります。

 

・入金はあるが、マニフェストが未確定
・マニフェストは登録済みだが、請求が未発行
・請求は出しているが、入金が確認できていない

 

このように、

「請求」「マニフェスト」「入金」の進捗状況が一致していないケースは、産業廃棄物処理・リサイクル業では決して珍しくありません。

 

それぞれを別画面で確認していると、
・入金対応が先なのか
・処理情報の確認が先なのか
・請求漏れなのか
判断に迷う場面が出てきます。

 

しかし、
・入金状況
・未回収状況
・マニフェスト登録状況
を同じ一覧で把握できるようにしておくだけでも、

対応の優先順位は格段に明確になります。

 

「状態を横並びで見られる設計」にするだけでも、

確認作業と判断の迷いは大きく減ります。

 

請求とマニフェストがつながると、経営の見え方が変わる

 

 

確認作業が減ると、はじめて「数字を振り返る時間」が生まれます。

 

日々の請求確認やマニフェストの照合作業に追われていると、

どうしても目の前の処理を終わらせることが優先になります。
しかし、対応関係が整理されるだけで、確認の往復が減っていきます。

 

すると、自然と数字を落ち着いて見られる時間が生まれます。

その時間があるかどうかで、見えてくるものは大きく変わります。

 

たとえば、
・回収が遅れがちな排出事業者はどこか
・想定よりも単価が低い案件はないか
・処理量が急に増えている品目はないか
・電子マニフェスト登録が遅れがちな現場はないか
といった変化や傾向に気づけるようになります。

 

これらは、請求とマニフェストを別々に管理している状態ではなかなか把握できない情報です。

 

請求情報と処理内容がひも付いているからこそ、

数字の背景まで含めて確認できるようになります。

 

これは単なる業務効率化ではありません。

 

経理の役割が「作業を処理する担当」から、

「数字を通して状況を説明できる立場」へ

少しずつ変わっていくプロセスでもあります。

 

JEMSが一緒に取り組んでいること

 

 

経理の負担が重くなる背景には、

請求、入金、処理実績、マニフェスト情報が

それぞれ分かれて管理されている構造があります。

 

情報が分断されていると、

確認のたびに画面や資料を行き来する必要が生じ、

転記や照合の手間も増えていきます。

 

JEMSでは、いきなり産廃ソフトの導入を前提にするのではなく、

 

・どこで確認作業が発生しているのか
・どこで転記が行われているのか
・どこが属人化しているのか

 

といった業務の流れを整理するところから始めます。

 

その上で、業務とデータを一つの流れとして

管理できる仕組みとしてご提案しているのが、

産業廃棄物処理・リサイクル業界向け基幹システム『環境将軍R』です。

 

営業、契約、配車、計量、販売、マニフェストなどの情報を一元的に管理できるため、
・請求の元となる処理内容をすぐに確認できる
・マニフェスト情報と請求内容を行き来せずに照合できる
といった状態を実現しやすくなります。

 

重要なのは、単にシステムを入れることではなく、

業務の流れとデータのつながりを整えることです。

 

その積み重ねが、経理の負担軽減と、

経営に活かせる数字づくりにつながっていきます。

 

まとめ

 

産業廃棄物処理・リサイクル業界の経理業務は、

請求管理とマニフェスト管理の両方を担っている点が大きな特徴です。

 

この二つを別々に見直しても、

確認作業そのものはなかなか減りません。

 

まずは、

「この請求は、どの処理実績と、どのマニフェストにつながっているのか」

を迷わず説明できる状態をつくること。

それが、経理の負担を軽くし、

経営に活かせる数字を育てる第一歩になります。

 

もし、

「自社では、何から手を付ければよいのか分からない」と感じている場合は、

 

・請求と処理実績は、どのように結びついているのか
・入金と未回収は、どのように管理されているのか

 

といった、身近な業務の流れを整理するところから始めてみてください。

 

確認の往復を減らし、

数字を振り返る時間をつくること。

 

その積み重ねが、

経理業務の負担軽減と経営改善の両立につながります。

 

その第一歩を、JEMSがお手伝いできれば幸いです。

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