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産業廃棄物の税金?課税方式や納税方法・非課税となるケース

産業廃棄物を扱う事業者が直面する問題の一つが税金問題です。
事業活動によって生じた産業廃棄物を取り扱う際には、産廃税を支払わなくてはなりません。

しかし、産廃税の内容や仕組みをご存知ない方も多いかと思われます。

 

そこで本記事では、産廃税の課税の仕組みや納付方法、導入自治体や非課税となるケースなどを説明します。
産業廃棄物を排出する排出事業者・中間処理業者の方や、最終処分に携わる方は、ぜひ参考にしてください。

 

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産廃税とは

 

産廃税とは産業廃棄物税の略称で、地方分権一括法に応じて導入された法定外目的税の一つです。
法定外目的税とは地方税の一種で、地方税法に規定されていない自治体が税率や課税対象・方式などを決められる税金を指します。
そのため、産廃税の有無や課税方式は、都道府県や政令都市などの自治体ごとに異なります。

 

一般的に、産廃税が適応される対象は、産業廃棄物を生じさせた排出事業者や中間処理業者・最終処分を担う最終処分業者です。
産業廃棄物の中間処理施設への搬入もしくは最終処分場への搬入・埋立てに対し課されます。
導入自治体の多くは、産業廃棄物の最終処分量1トンにつき1,000円の税額を設定しています。

 

産廃税によって得られた収入は、廃棄物の発生や排出の抑制・リサイクルの促進・不適切な処理への対策強化・循環型社会の実現に向けた取り組みに充てられます。

 

課税方式について

 

産廃税の課税方式は主に4つです。
導入している自治体により採用している方式が異なるため、あらかじめ確認が必要です。

 

排出事業者申告納付方式

 

産業廃棄物の処理を、最終処分業者もしくは中間処理業者に委託する排出事業者が納めるタイプです。
排出事業者が自身で税額を申告し、自治体へと直接納めます。

 

例えば、三重県では平成14年から現在までこの方式が導入されています。
三重県内にある最終処分業者もしくは中間処理業者へ廃棄物の処理を委託する製造業者や建築業者は、県内外を問わず税額を申告し、納付しなくてはなりません。

 

税額は、産業廃棄物の最終処分場もしくは中間処理施設への搬入重量に処理係数を乗じた後の重量(課税標準)1トンにつき1,000円です。

また、この方式は滋賀県でも同様に採用されています。

 

最終処分業者特別徴収方式

 

産業廃棄物を最終処分場へと搬入する排出事業者や、中間処理業者が納めるタイプです。
最終処分業者が「特別徴収義務者」となり、排出事業者・中間処理業者から税金を回収します。

特別徴収義務者は集めた産廃税をまとめて自治体へと申告・納付します。

 

例えば、愛知県では平成18年からこの方式が導入されています。
課税額は、愛知県内にある最終処分場に搬入された産業廃棄物の重量1トンにつき1,000円です。

自社から生じた産業廃棄物を自社が設置する最終処分場で処分する場合は、1トンにつき500円の税額を愛知県へ直接納めます。

 

当方式は他にも、北海道・青森県・岩手県・秋田県・山形県・宮城県・福島県・新潟県・京都府・奈良県・愛媛県・岡山県・広島県・鳥取県・島根県・山口県・熊本県・沖縄県で採用されています。

 

【関連記事】
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最終処分業者申告納付方式

 

産業廃棄物の最終処分業者および自家処分業者が納めるタイプです。
福岡県北九州市のみで「環境未来税」という名のもと、平成15年から導入されています。

納税義務者は北九州市内の最終処分場における、産業廃棄物の埋立て量1トンにつき1,000円を毎月申告・納付します。
環境未来税は破砕・脱水・焼却・中和などの中間処理には課されないため、リサイクル推進や廃棄物の軽量化を促す効果が期待されています。

 

焼却処理・最終処分業者特別徴収方式

 

産業廃棄物を焼却処理施設もしくは最終処分場へと搬入する排出事業者や中間処理業者が納めるタイプです。
焼却処理業者・最終処分業者が「特別徴収義務者」となって税金を回収し、まとめて自治体へと納めます。

 

例えば、福岡県では平成17年から当方式が導入されています。
課税額は、福岡県内にある焼却施設への搬入量1トンにつき800円、最終処分場への搬入量1トンにつき1,000円です。
年に4回、特別徴収方式で県に納付します。
自己処理の場合、自己処理を行う事業者が自ら申告・納付します。

 

当方式は、佐賀県・長崎県・大分県・鹿児島県・宮崎県など九州地方で採用されています。

 

納付方法

 

納付方法は前述の通り、申告納付方式と特別徴収方式の2つです。
前者では、納付の義務がある事業者が自身で申告する税額を割り出し、自治体へ直接納めます。

 

一方、後者では、納付の義務がある事業者は「特別徴収義務者」として指定された者に対して税金を納めます。

特別徴収義務者は受け取った税金を、自治体へ取りまとめて納めます。

 

非課税となるケース

 

産廃税には、例外的に非課税となるケースがあります。
納税義務者とならない主な要件は、廃棄物の処理の最終目的が「リサイクル」や「有効活用」であることです。

つまり、中間処理施設の中でも再生処理施設に運ばれる産業廃棄物に対しては、税が課せられません。

 

例えば、汚泥は法で定められた産業廃棄物の一種であり、脱水・乾燥処理のあと最終処分場で埋め立てられれば、課税が義務付けられます。

しかし、汚泥の有機分解によるメタンガスをエネルギーとして有効活用したり、肥料やセメント原料として再び利用したりすると、課税されません。

 

ただし、自治体によっては特例(納税免除)を認めていないケースもあります。

 

廃棄物の量を減らして環境への負荷も減らそう

 

いかがでしたでしょうか。
今回は産廃税と呼ばれる税金の意義や課税の方法・例外などについて解説しました。

 

産廃税の意義は、お金の回収ではなく循環型社会への変革です。
廃棄物の量を減らしたり、リサイクルを意識したりすることで、税金だけでなく地球環境への負荷も軽減しましょう。

 

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