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【製造業】サーキュラーエコノミーの推進事例を紹介

2023/12/13

  • サーキュラーエコノミー
  • 循環型社会

環境問題に対する意識の高まりやSDGsの策定を背景に、さまざまな企業・業界でサーキュラーエコノミーへの取り組みが進みつつあります。

これは製造業においても例外ではなく、自社でも推進していくためには、各企業の事例を知っておきたいところです。

 

本記事では、サーキュラーエコノミーの概要を、製造業における推進事例とともに紹介します。

自社での取り組みを目指している担当者様は、ぜひご一読ください。

サーキュラーエコノミーとは

サーキュラーエコノミー(Circular Economy)とは、資源の投入量と消費量を可能な限り抑え、廃棄物の排出を原則ゼロにすることを目指す、新たな経済システムのことです。

日本語では、「循環経済」または「循環型経済」と訳されます。

 

サーキュラーエコノミーでは、製品が利用されている状態をいかに長くできるかを重要視し、これまで破棄されていた原材料や製品を資源として活用できる仕組みを整えます。

 

利用後の再販売やリサイクルを促すことで、それに必要な雇用も生み出すことができるため、地球環境に配慮しつつ、持続可能な経済活動をも目指せるというわけです。

 

関連記事:サーキュラーエコノミーとは?3原則や取り組みを解説

サーキュラーエコノミーが積極的に推進されている背景

サーキュラーエコノミーへの取り組みが求められている背景には、現在の経済システムであるリニアエコノミーのままでは、資源が需要に追いつかなくなるという危機感があります。

 

一方通行型のリニアエコノミーにおいては、製品を大量生産・大量消費して破棄するため、資源の枯渇や気候変動、環境汚染の深刻化など、多くの社会問題をもたらしています。

このまま大量生産・大量消費を続けていけば、人間が経済活動を行うのはおろか、いずれ地球環境に深刻なダメージを与え、取り返しのつかない状況にすらなりかねません。

 

こうした反省から、「資源は有限である」という原点に立ち返り、経済成長と資源の有効活用の両立を目指す、サーキュラーエコノミーが推進されるようになったのです。

サーキュラーエコノミーの三原則

国際的なサーキュラーエコノミーの推進機関である、イギリスのエレン・マッカーサー財団は、以下の三原則を公表しました。
これは、サーキュラーエコノミーの本質とも言える重要な考え方です。

 

【サーキュラーエコノミーの三原則】

  • Design out waste and pollution(廃棄物と汚染があらかじめ出ないように設計する)
  • Keep products and materials in use(製品と原材料を使いつづける)
  • Regenerate natural systems(自然の仕組みを再生する)

 

サーキュラーエコノミーの三原則を実現するための循環の仕組みを表した図が、通称「バタフライダイアグラム」です。

まるで羽を広げた蝶のように見える図であることから名付けられました。

 

バタフライダイアグラムは、この三原則にもとづいて、「資源」「経済システム」「経済システムによる廃棄や環境汚染などの負の外部性」の3つの階層に分かれています。

限りある資源を適切に利用し、消費者や利用者から循環サイクルに戻す流れをつくれば、廃棄や環境汚染をなくせるというサーキュラーエコノミーの考え方を示したものです。

 

サーキュラーエコノミーへと実際に移行していくには、その根幹をなす概念を図示したバタフライダイアグラムの理解が重要になります。

 

図の左右は異なる循環サイクルであり、左側の円が植物や動物など再生可能な資源の「生物的サイクル」、右側の円が石油や石炭など枯渇性資源の「技術的サイクル」です。

どちらのサイクルにおいても、この円が小さいほど環境への負荷が小さく、経済効果も高い

ことを意味します。

つまり、生物的サイクルと技術的サイクルの双方で、より小さい円を描いていくことに価値があるというわけです。

サーキュラーエコノミーの5つのビジネスモデル

サーキュラーエコノミーのビジネスモデルは、以下の5つに分類されます。
これは、サーキュラーエコノミーをビジネスに取り入れるうえで軸となるモデルとして、戦略コンサルティングファームのアクセンチュア社によって提唱されたものです。

 

【サーキュラーエコノミーの5つのビジネスモデル】

名称

概要

循環型サプライ

再生可能な原材料の利用によって、調達コストの削減や安定調達を実現する

回収とリサイクル

廃棄予定の設備や製品の再利用によって、生産・廃棄コストを削減する

製品寿命の延長

修理やアップグレード、再販売によって、使用可能な製品を活用する

シェアリング・プラットフォーム

不稼働資産となっている所有物を共有することによって、需要に対応する

サービスとしての製品

消費者が製品を所有せずに、利用に応じて料金を支払うビジネスモデルを提供する

 

これらのビジネスモデルは互いに関連があるので、いくつかを組み合わせることで、その真価をよりいっそう発揮することが可能です。

 

たとえば、「製品寿命の延長」において収益性を高めるには、製品の所有権を消費者に移転するのではなく、メーカーが所有権を持ちつづける必要があります。

そして、消費者には製品を保有することなく、利用のみしてもらうというビジネスモデルを提供します。

これがつまり、「シェアリング・プラットフォーム」と「サービスとしての製品」に該当するのです。

なお、「サービスとしての製品」には、レンタルやリース、サブスクリプションといった形態が当てはまります。

 

さらに、メーカーが所有権を持ったままなので、製品の利用後の「回収やリサイクル」にもスムーズにつながります。

 

このように、5つのビジネスモデルをうまく組み合わせることで、最小限の資源から最大限の経済効果を引き出すための仕組みが、サーキュラーエコノミーであるというわけです。

日本の製造業に影を落とす深刻な問題

製造業におけるサーキュラーエコノミーの推進事例を紹介する前に、日本の製造業の問題を解説します。

 

新型コロナウイルスの感染拡大やウクライナ・中東情勢の緊迫化など、さまざまな要因による原材料価格の世界的な高騰は、日本の製造業にも大きな影響を与えています。

特に、大半を輸入に依存している原油価格の高騰は、生産コストの増加につながっているのが現状です。

 

さらに、2021年以降、半導体の不足が世界規模で続いており、その影響は製造業の各分野に及んでいます。

「産業のコメ」とよばれる半導体はスマートフォンやパソコン、自動車などの多くの製品に使用されていますが、これが不足してあらゆる電子製品の製造に影響が出ているのです。

 

こうしたことから、日本の製造業では、原材料の調達先や生産拠点の変更、もしくは移転といったサプライチェーンの見直しが迫られています。

サーキュラーエコノミーの推進により製造業界の企業が得られるメリット

では、このような情勢下にある製造業界の企業がサーキュラーエコノミーに取り組むと、どのようなメリットを享受できるのでしょうか。

 

ここからは、サーキュラーエコノミーの推進によって得られる3つのメリットを紹介していきます。

 

メリット①原材料価格の高騰や資源の枯渇に対するソリューションとなる

サーキュラーエコノミーへの取り組みは、原材料価格の高騰や資源の枯渇といった、製造業における問題の解決策になり得ます。

 

原材料価格の世界的な高騰は生産コストを圧迫し、大量生産・大量消費による資源の枯渇は、資源調達を困難にさせ、いずれ利用すらできなくなるおそれがあります。

そこで資源の再利用や、利用後の製品をシェアできるプラットフォームの構築を実施すれば、資源を有効活用し、生産・廃棄コストを削減できるというわけです。

 

これらの取り組みは、原材料価格の変動に左右されにくい製造体制づくりにつながり、安定した資源調達への道も開けます。

 

メリット②コストカットを図れる

サーキュラーエコノミーの推進によって、資源の投入量と消費量を抑えられれば、廃棄物処理にかかるコストを削減することも可能です。

 

また、原材料のリサイクルは、廃棄物の量を減らすことで、CO2排出量の削減にも役立ちます。

 

メリット③企業・ブランドイメージの向上につながる

企業がサーキュラーエコノミーを推進すれば、社会に対するプラスのアピールにもつながります。

 

環境問題の深刻化やSDGsの策定によって、社会問題に取り組むことは、単なる良い行動ではなく、企業が経済活動を続けるうえでの社会的責任とも認識されています。

消費者の環境に対する意識も変わりつつあるので、サーキュラーエコノミーへの取り組みは企業・ブランドイメージの向上にもなるというわけです。

【製造業】サーキュラーエコノミーの推進事例

ここからは、製造業におけるサーキュラーエコノミーの推奨事例を、5社紹介していきます。

先ほどの5つのビジネスモデルと対照して、その具体例としてご覧いただくと理解が深まるのではないでしょうか。

 

なお、株式会社JEMSにおける取り組みに関しては後ほど説明します。

 

事例①ブリヂストン

国内大手タイヤメーカーのブリヂストンは、再生タイヤともよばれる「リトレッドタイヤ」を開発しました。

 

リトレッドタイヤは、すり減ったタイヤの表面を貼り直して再度使用することで、タイヤをより長く使いつづけることができ、廃棄物の量も減らせるタイヤです。

このリトレッドタイヤは、車のみならず、航空機やトラック、バスなどにも使用されており、サーキュラーエコノミーの推進の一翼を担っています。

 

また、使用後のタイヤも廃棄物にすることなく、資源としてゴムに戻したり、タイヤの原材料として戻したりするといったアプローチで、循環型のビジネスモデルに取り組んでいます。

 

参照元:タイヤソリューション®  | 株式会社ブリヂストン

 

事例②イワタ

京都の老舗寝具メーカーのイワタは、使いつづけられる寝具の開発に取り組んでいます。

 

無漂白・無染色で、蛍光増白剤も未使用の素材を使った寝具「unbleached(アンブリーチド)」で、人と自然に優しい商品開発・設計を実現しました。

長く快適に使えるように、日干しや水洗いなど家庭でのメンテナンスを極力簡易化し、経年劣化による修理や仕立て直しが必要な場合は、熟練した技術者が行う仕組みを整えました。

 

このように、イワタはサーキュラーエコノミーの三原則にもとづいて、持続可能なものづくりの実現を目指しています。

 

参照元:unbleached│株式会社イワタ【IWATA】

 

事例③ライオン

ハブラシや衣料用・台所用洗剤など、日々の生活のなかで欠かせない製品を提供しているライオンは、2019年に長期環境目標「LION Eco Challenge 2050」を策定しました。

 

このチャレンジのなかの1つに、「プラスチックの高度な資源循環」があります。

洗剤の濃縮化によって、プラスチック製の本体容器の軽量化を実現し、さらにフィルム容器で詰め替え品を提供し、プラスチックの使用量を削減しているのがその一例です。

 

また、ハブラシ・リサイクルプログラムにも取り組み、使用済みハブラシを回収・リサイクルし、植木鉢や猫のトイレ容器などの新しいプラスチック製品に生まれ変わらせています。

 

参照元:環境目標と実績|環境とともに|サステナビリティ | ライオン株式会社

 

事例④リコー

複合機メーカーのリコーは、先駆的にサーキュラーエコノミーに取り組んでいる企業です。

 

リコーグループは、1994 年に循環型社会実現のコンセプトとして「コメットサークル」を制定し、ライフサイクル全体での資源の有効活用を推進してきました。

使用済み複合機を回収し、再生産して出荷するまでのフローを整備するなどして、多くの技術・ノウハウも獲得しています。

 

参照元:コメットサークル | リコー

 

事例⑤バンドー化学

バンドー化学は、自動車部品や産業資材、高機能エラストマー製品など、BtoBのものづくり企業として115年の歴史を誇ります。

同企業は、新規事業を「環境配慮型ものづくり」を実践していくための事業開発と捉え直し、サーキュラーエコノミーの概念を組み込んだ開発方針に転換しました。

 

来たるサーキュラーエコノミーが実装された社会において、適用できる技術やビジネスモデルをとことん突き詰めていきました。

その結果生まれたのが、今後の指針となる「サーキュラーエコノミーマップ」です。

 

新規事業を開発していくなかで、向かっている方向を確認するための基準にもなり、持続可能な経営に役立っています。

 

参照元:バンドー化学

株式会社JEMSの取り組み事例

JEMSでは、サーキュラーエコノミーの実現に向け資源循環の価値証明サービス「Circular Navi」の提供を2022年4月に開始しました。

すでにプラスチックの資源循環をはじめとした実証実験などにご活用いただいています。

その他にも、一般廃棄物を削減するための回収量の見える化などさまざまな取り組みを支援しています。

 

今後も約30年にわたる廃棄物管理の分野で培ったノウハウとパートナーシップをもとに再生材や再生材利用製品の価値を最大化することで企業の循環型ビジネスの構築を支援していきます。

サーキュラーエコノミーに主体的に取り組もうとお考えの皆様のパートナーであり続けることを目指しています。

 

詳しい事例は、以下のページからからぜひご覧ください。

株式会社JEMSの「取組事例」

サーキュラーエコノミーを推進するうえで覚えておきたいこと

ここまで、製造業におけるサーキュラーエコノミーの推進事例や、得られるメリットをご説明しました。

しかし、サーキュラーエコノミーに取り組んでいくにあたって、障壁となる課題が存在するのも事実です。

 

サーキュラーエコノミーを実現するには、原材料の選定・調達や、製造過程の変更、利用後の製品の回収とリサイクルを行う仕組みづくりなど、幅広い領域で対応する必要があります。

これらを実施するためのノウハウや人員確保、設備の整備などに多額の初期投資と時間を要するのは必定です。

 

また、一企業としてだけでなく、仕入れ先や販売先との協力関係を築き、資源の循環を促進する活動に取り組むことも不可欠です。

製造業においてサーキュラーエコノミーを推進すれば、持続可能な生産活動と資源調達が叶う

本記事では、サーキュラーエコノミーの概要を、製造業における推進事例とともに紹介しました。

製造業界には、原材料価格の高騰や資源の枯渇をはじめ、それによる生産コストの増加などの問題があるのが現状です。
各企業がサーキュラーエコノミーに取り組むことで、資源の有効活用や、生産・廃棄コストの削減、ならびに企業・ブランドイメージの向上につながります。

 

 


 

JEMSでは、企業のサーキュラーエコノミーへの取り組みに貢献するソリューションを提供しています。

Circular Naviは、企業のサプライチェーンのトレーサビリティーや再資源化率の可視化などによって、製品ごとに環境価値を提示することができます。

ぜひ、Circular Naviをご活用ください。

 


 

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