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サーキュラーファッションとは?ファッション業界とサーキュラーエコノミー

2023/11/29

  • サーキュラーエコノミー
  • SDGs
  • 循環型社会

循環型経済を意味するサーキュラーエコノミーの考えは近年注目を集めており、ビジネスに取り入れる企業も増えてきています。

その流れは、製造過程に多くの問題を抱えているファッション業界においても例外ではありません。

 

本記事では、サーキュラーファッションの概念を解説したうえで、ファッション業界の取り組み事例を紹介します。

自社のビジネスでサステナブルな社会に貢献したいとお考えの担当者様は、参考にしてください。

サーキュラーエコノミーの概要

サーキュラーエコノミーとは、2015年に欧州から広まった新しい概念です。

日本語では、循環型経済と訳されます。

 

従来型の経済モデルはリニアエコノミーとよばれており、製品を利用したのちに廃棄するまでの流れが直線的でした。

そんなリニアエコノミーに対して、サーキュラーエコノミーでは一度消費された製品を再資源化し、循環させることを想定しています。

バリューチェーンにおいて、廃棄物の発生を前提としない点が、リニアエコノミーとの大きな違いです。

 

サーキュラーエコノミーは、資源不足や環境問題の方向性を示すグランドデザインとして注目されています。

社会的な関心が高まっていることもあり、多くの企業は事業の成長と持続性のために、サーキュラーエコノミーの考えを取り込んでいくことが必須となるでしょう。

 

なお、サーキュラーエコノミーのビジネスモデルは次の5つに分類されます。

こちらの分類は、世界最大のコンサルティングファームであるアクセンチュア株式会社によって提唱されたものです。

 

【サーキュラーエコノミーの5つのビジネスモデル】

  1. サーキュラー型のサプライチェーン(循環型サプライ)
  2. 回収とリサイクル
  3. 製品寿命の延長
  4. シェアリング・プラットフォーム
  5. サービスとしての製品

 

それぞれの企業が展開する事業の特性や状況によって、取り入れられるアイデアは異なります。
自社のサービスに合った、適切なビジネスモデルを構築しましょう。

 

関連記事:サーキュラーエコノミーとは?3原則や取り組みを解説

サーキュラーファッションとは

ファッション業界においても、サーキュラーエコノミーの考えは重要です。

近年さまざまなブランドが、サーキュラーエコノミーとサステナブルファッションが融合した「サーキュラーファッション」の概念を取り入れています。

 

サーキュラーファッションという言葉は、コンサルティング会社「Green Strategy(グリーンストラテジー)」の創始者であるアンナ・ブリスマーが生み出しました。

アンナ・ブリスマーはサーキュラーファッションについて「できる限り有効に使うことを目的にデザインされた服、シューズ、アクセサリー」と定義しています。

そしてそれらを使わなくなった際には、安全な方法で環境に返すことが重要だとも語っています。

ファッション・アパレル業界が抱える課題

ファッション・アパレル業界は、2000年代頃からブームが拡大したファストファッションによる大量生産と大量消費、そして大量廃棄によって、環境負荷が大きい分野だといわれています。

 

原材料調達から製造段階までのCO2排出量は年間で約90,000ktにものぼり、服1着あたり約25.5kgとなる計算です。

また、服の染色には大量の水が必要で、年間約83m31着あたり約2,300Lが消費されています。

 

製造過程における問題点は、それだけではありません。

服を製造する際に使用される有害な化学物質の一部は、河川や海に放出されており、水質汚染を引き起こしています。

化学物質の多くは自然に分解されることがなく、環境中に残留してしまうためです。

 

近年は特に、合成繊維であるマイクロファイバーによる汚染が顕在化しています。

服を洗うことで抜け落ちたマイクロファイバーが海へと至り、それを海洋生物が飲み込むことによる生態系の悪影響が、懸念されている問題です。

 

このようにファッション業界は製造過程に多くの課題を抱えており、サーキュラーファッションの考えを普遍的な価値観として浸透させるのが急務といえます。

 

参照元:環境省_サステナブルファッション

サーキュラーエコノミーを推進するメリット

ここからは、アパレル関連の企業がサーキュラーエコノミーを推進することで得られるメリットを紹介します。

 

メリット①資源の枯渇に対するソリューションとなる

サーキュラーエコノミーの考えは、資源の枯渇に対する、ソリューションとなります。

 

資源を消費して廃棄へと至る、従来の直線的な構造が続いては、アパレル業界の大量生産・大量廃棄によって、資源が枯渇するのは時間の問題です。
限りある資源の再利用やリサイクルが促進され、持続可能性が向上することは、資源問題に関する一つの解決策です。

 

メリット②コストカットを図れる

サーキュラーエコノミーを取り入れることは、コストの削減にもつながります。
商品や製造過程の見直しは、企業に経済的な恩恵をもたらすでしょう。

 

また、社会全体で見ても、サーキュラーエコノミーが浸透すれば、資源の採掘や廃棄物の処理にかかるコストも少なくて済むようになります。

 

メリット③企業・ブランドのイメージ向上につながる

サーキュラーエコノミーは、企業やブランドのイメージ向上にも役立ちます。

 

これまでとは異なる、サーキュラーエコノミーの考えを取り入れたビジネスモデルに転換して、新たなブランドイメージを構築するチャンスです。
また、このような先進的な取り組みは、情報感度が高く、環境問題に関心のある消費者からの支持が期待できます。

サーキュラーファッション実現を阻害する要因

サーキュラーエコノミーやサーキュラーファッションの考えは、これからの時代に必要不可欠なものだとご理解いただけたでしょうか。

これらの考えを取り入れた社会を実現するには、一人ひとりが「必要な量の服だけを購入する」「活用できるものは廃棄せずに再利用する」といった行動をとる必要があります。

 

しかし、次のような要因によって、消費者の行動が阻まれてしまうかもしれません。

 

【サーキュラーファッション実現を阻害する要因】

  • 新品の服が良いという固定観念をもっている
  • 購入後にあまり使用せず、その服の存在を忘れる
  • まだ活用できるにもかかわらず、リサイクルせずに廃棄する

 

このような要因への対策としては、企業が環境コストを見える化し、消費者に「1着の服を長く使ってほしい」というメッセージを発信しつづけることが大切です。

サーキュラーファッション推進のポイント

ここからは、企業がサーキュラーファッションを推進する際に、意識したい2つのポイントを紹介します。

 

ポイント①効果的な訴求方法を考える

消費者からの理解を得るには、広告やプロモーションでの伝え方を工夫する必要があります。

 

わかりやすいキャッチコピーや文言は、それだけで人々の選択を促す効果を秘めています。
魅力的な表現を用いることで、消費者がサーキュラーファッションを手に取る機会を増やせるはずです。

 

ポイント②環境コストを見える化する

服の製造における環境コストの見える化も、サーキュラーファッション推進を後押しする一つの手です。

 

2020年、スウェーデンのメンズウェアブランド「ASKET」は、レシートに服の値段ではなく実際にかかった環境コストを印字するキャンペーンを実施しました。
レシートには、商品を手に取った際に「消費者としての責任」を意識してもらえるよう、その服の製造過程で排出したCO2や水の消費量が書かれています。
服を手にした一人ひとりが環境への負荷を認識することで、購買行動の変化が期待できます。

【ファッション・アパレル業界】サーキュラーエコノミーへの取り組み事例

すでにサーキュラーエコノミーへの取り組みを実践している企業は多く存在します。
そのなかからファッション・アパレル業界に絞って、いくつか事例を紹介します。

 

なお、次の項では株式会社JEMSの取り組みを紹介しているので、そちらもあわせてご覧ください。

 

MUD Jeans

オランダのデニムブランドであるMUD Jeansは、ジーンズをレンタルできるサブスクリプションサービスを提供しています。
レンタル期間が終了した古いジーンズは、回収後に裁断して繊維へと戻され、新しいジーンズの製造に使われます。

 

なお、MUD Jeansは、将来的に古いジーンズから回収されたリサイクルコットンを100%使用したジーンズの製造を研究中です。

 

参照元:MUD Jeans

 

ステラマッカートニー

イギリスに本部を構えるステラマッカートニーは、公式サイトでサステナビリティに対するビジョンを掲載し、サーキュラーエコノミーを推進する姿勢を表明しています。

 

服の原料であるセルロース繊維は、持続可能な指定の森林でのみ調達しており、環境への影響を最小限に抑えながら、魅力的な製品を作ることに力を注いでいます。

 

参照元:ステラマッカートニー

 

エコログ・リサイクリング・ジャパン

企業に対してリサイクルを想定した設計を支援するエコログ・リサイクリング・ジャパンは、廃棄物を製品原料として再利用する「マテリアル・リサイクル」に取り組んでいます。
このマテリアル・リサイクルは、数あるリサイクル手法のなかでも、特に環境負荷の軽減率が高く、CO2排出量を大幅に削減可能です。

 

なお、回収した廃棄物をリサイクルしてできたポリエステル原料からつくられる製品には、シャツなどの衣類だけではなく、ハンガーやフラワーポットなど成型品も含まれます。

 

参照元:エコログ・サイクリング・ジャパン

 

BEAMS

セレクトショップのBEAMSが展開しているオリジナルブランド「BEAMS COUTURE」では、デッドストック商品をリメイクし、一点物のアイテムへと蘇らせています。

 

さまざまなクリエイターやブランドとコラボしており、新しいアイディアやエネルギーが生まれることを目指しています。

 

参照元:BEAMS COUTURE(ビームス クチュール)|BEAMS

 

H&M

大手アパレルブランドのH&Mでは、2013年に店舗内でリサイクルを行えるシステム「Looop」を導入しました。

 

不要になった衣類を専用の機械に投入すると、洗浄後に細かく裁断されて糸となり、それらを再び編み込むことで新しい服へと生まれ変わります。
水や化学物質を一切使用しないため、通常服を製造する過程で生じる、環境への負荷を大幅に抑えられます。

 

参照元:H&M、リサイクルシステム「Looop」で不要な衣類を新たなファッションアイテムに変換

 

ユニクロ(ファーストリテーリング)

ユニクロもまた、サーキュラーエコノミーに関する取り組みを実施している企業です。

 

循環型プロジェクト「RE.UNIQLO」の第1弾では、日本国内で回収した62万着のダウンとフェザーを100%使用した「リサイクルダウンジャケット」を発売しました。
ダウンとフェザーをリサイクルすることで、生産過程におけるCO2排出量の約20%削減を実現しています。

 

参照元:RE.UNIQLO:あなたのユニクロ、次に生かそう。 | 服のチカラを、社会のチカラに。 UNIQLO Sustainability

株式会社JEMSの取り組み事例

JEMSでは、サーキュラーエコノミーの実現に向け資源循環の価値証明サービス「Circular Navi」の提供を2022年4月に開始しました。

すでにプラスチックの資源循環をはじめとした実証実験などにご活用いただいています。

その他にも、一般廃棄物を削減するための回収量の見える化などのさまざまな取り組みを支援しています。

 

今後も約30年にわたる廃棄物管理の分野で培ったノウハウとパートナーシップをもとに再生材や再生材利用製品の価値を最大化することで企業の循環型ビジネスの構築を支援していきます。

サーキュラーエコノミーに主体的に取り組もうとお考えの皆様のパートナーであり続けることを目指しています。

 

詳しい事例は、以下のページからからぜひご覧ください。

株式会社JEMSの「取組事例」

サーキュラーファッションはサステナブルな社会の実現へとつながる

本記事では、サーキュラーエコノミーとサステナブルファッションを組み合わせたサーキュラーファッションについて解説しました。

 

資源の再利用を促進し、循環型の経済モデルを作り出すサーキュラーエコノミーの考えは、持続可能な社会の実現に不可欠です。

ファッション業界においてもサーキュラーエコノミーを取り入れる企業は増えてきており、今後必須の取り組みとなることが予想されます。

 

 


 

JEMSでは、企業のサーキュラーエコノミーへの取り組みに貢献するソリューションを提供しています。

Circular Naviは、企業のサプライチェーンのトレーサビリティーや再資源化率の可視化などによって、製品ごとに環境価値を提示することができます。

ぜひ、Circular Naviをご活用ください。

 


 

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