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産業廃棄物を過積載した際の責任の所在は?過積載が起こる原因と対策

過積載とは、車両の最大積載量を超えて貨物を載せて運送することで、道路交通法上の違反行為に当たります。走行が不安定になる、ハンドルの操作性が落ちるなど、重大な事故に繋がるおそれのある危険な行為です。

 

産業廃棄物の収集・運搬に際しても、過積載とならないよう気をつける必要がありますが、現実として、違反はなくなっていません 。過積載の危険性はある程度認知されているにもかかわらず、なぜ改善されないのでしょうか。また、違反は誰の責任となるのでしょうか。

 

本記事では、産業廃棄物の排出事業者、収集運搬業者の方に向けて、産業廃棄物の過積載が起こる原因や、違反した場合の責任の所在について解説します。

 

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過積載の責任は原則、収集運搬業者

 

過積載を指摘された場合、原則として、ドライバーと運行管理者である収集運搬業者が責任を負います。

 

ただし、排出事業者が全く責任を問われないというわけではありません。排出事業者側の指示により、過積載が行われている場合があるためです。道路交通法において、産業廃棄物の持ち主であり、運搬を依頼した排出事業者は「荷主」に当たります。荷主は、過積載になることを知りながら、荷物の売り渡しや引き渡しをしてはならないと明示されています。過積載が発覚した場合、関係者はそれぞれ罰則を受けることになります。

 

過積載をしてしまった際の罰則

 

 

まず、運転していたドライバーには、違反点数のほか罰金・反則金などの罰則があります。過積載の割合が高いほど、より悪質とみなされます。仮に、最大積載量の倍以上の貨物を運送した場合は減点6点、懲役6ヶ月以下または罰金10万円以下という重い罰則が科されます。

 

収集運搬業者は、より厳しい罰則を受けることになります。悪質な場合、運行管理者としての資格、産業廃棄物収集運搬業許可も取り消しとなる場合もあり、事業継続そのものに大きな影響を与えます。

 

排出事業者が過積載を認識していた場合は、再発防止命令の勧告を受けます。これに違反した場合、懲役6ヶ月以下、または罰金10万円以下が科されます。過積載の指示など、より積極的な関与があった場合は、事業者名が公表されます。

 

産業廃棄物の運搬方法

 

産業廃棄物の処理には、廃棄物処理法によってさまざまな規定があります。

運搬する人が危険にさらされてはいけないのはもちろんのこと、
周囲への悪影響が出ないようにすることも大切です。
産業廃棄物に見合った運搬方法で、安全で確実な産業廃棄物の運搬を徹底しましょう。

 

こちらの記事では、産業廃棄物収集運搬車両や容器の種類について解説しています。ぜひご覧ください。
【関連記事】

産業廃棄物収集運搬車両(トラック)の種類

 

産業廃棄物の過積載が無くならない原因

 

危険な行為にもかかわらず、産業廃棄物の過積載がなくならない理由は複数あります。一つは、荷主である排出事業者の理解が不十分なケースです。積めるだけ積んでしまおうといったコンプライアンス意識の低さや、最大積載量そのものの誤認識などが背景にあります。

 

もう一つは、排出事業者側による行き過ぎたコストカットです。契約を切られることを恐れる収集運搬業者は、採算ぎりぎりの低い報酬でも引き受けようとします。その中で利益を得るためには、過積載のリスクを承知で、一度に大量の産業廃棄物を運ばざるを得なくなります。

 

対策

 

 

 

産業廃棄物の過積載を防ぐため、排出事業者が取り組める対策をご紹介します。

 

【対策】

  • ・コンプライアンス意識の高い収集運搬業者へ委託する
  • ・適正な料金で委託する
  • ・委託前に、自社でも産業廃棄物の計量を行う

 

もっとも大切なのは、きちんとした管理体制が敷かれており、コンプライアンス意識の高い収集運搬業者を選ぶことです。

 

二つ目は、適正な料金で委託することです。先述のように、排出事業者側による値引き要求が過積載の原因となる場合があります。料金は、廃棄物の重さではなく、トラック1台当たりで計算する「車建て 」を検討しても良いでしょう。

 

三つ目は、委託前に、自社でも産業廃棄物の計量を行うことです。委託する量を正確に伝えることで、過積載を防ぎます。

 

過積載の防止には排出事業者の意識も重要

 

産業廃棄物の過積載の原因や防止策について解説いたしましたが、参考になりましたでしょうか。

 

過積載が発覚した場合、収集運搬業者だけでなく、排出事業者も責任を問われる可能性があります。万が一事故が起これば、事業運営への影響は計り知れません。

 

コスト削減は、各企業にとって重要な課題ではありますが、排出事業者が適切な価格で依頼することは、過積載の防止に繋がります。安全と法令遵守のため、排出事業者も高い意識を持ち、必要な対策を講じましょう。

 

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