実は身近なITSとは?
2020/08/24
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はじめに
ITS(Intelligent Transport Systems:高度道路交通システム)とは、最先端情報通信技術を用いて、人と道路と車両とをネットワークでつなげることにより、交通事故、渋滞などといった道路交通問題の解決を目的として、構築する新しい交通システムのことです。
身近なITS
ITSは普段あまり聞きなれない言葉ですが、私たちの身近にすでに浸透しています。
代表的なものは以下の2つです。
①カーナビゲーションシステムとVICS(道路交通情報サービス)
カーナビゲーションシステムは、GPSなどを使い、デジタル地図上に車両の現在地や目的地までの経路を表示するシステムです。
VICSは交通規制や交通渋滞をカーナビ画面に表示させることで、スムーズな運行を支援するサービスです。VICSはほぼすべてのカーナビに搭載されています。
②ETC(自動料金支払いシステム)
ETCとは、車両に設置されたETC車載器にETCカードを挿入し、有料道路の料金場に設置されたETCレーンのアンテナとの無線通信により、車両を停車することなく通行料金を支払うシステムです。日本のETCは、どの有料道路事業者の料金体系での利用できる、全国統一システムであることが特徴です。
現在はより高度な情報を提供する「ETC2.0」の販売も始まっています。
図:ETCシステムのイメージ
(参照:一般社団法人ITSサービス高度化機構「ETCとは」)
ICTとITSでより便利な世の中へ
今後のICTの発展で、より安全・安心な移動の実現が予想されます。
①自動運転システム
自動運転システムは、車載カメラやセンサーの情報から自動車自身が交通状況を判断し、走行するシステムです。IoT技術の進展や通信速度の向上に伴って、自動車と道路、交差点、歩行者のデバイス等が正確かつ高速につながり、より性能の高い自動運転システムの実現が見込まれています。
②ビックデータの解析によるより高度な交通情報の提供
カーナビや、道路に設置しているセンサー等から得られる情報を解析します。急ブレーキの多い箇所や渋滞発生箇所等を分析し利用者に提供することで、交通事故防止、渋滞予防を促します。「ETC2.0」では、この収集されたデータを活用し、より広域な交通情報を提供、事故多発箇所やカーブなどの危険な状況を利用者に注意喚起します。
まとめ
ITSとは、ICTを活用して交通事故、渋滞などといった道路交通問題の解決を目的とするシステムです。カーナビやETCはすでに普及しており、利用している方も多いのではないでしょうか。ITSでは主に自動車や道路に設置されたセンサー等をつなぐIoT技術が使用されています。さらに今後はICTや5Gが進展することにより、精度の高い交通情報の提供が進むだけではなく、自動運転や運転支援技術が発達し、より便利で安心・安全な移動できるようになっていくでしょう。今後のITSの動きにぜひ注目してみてください。