中間貯蔵JV
全数管理システムと輸送管理システムで福島復興を支援
案件概要
企業名:中間貯蔵JV
- システム連携
- トレーサビリティシステム
- 一元管理
- 個体管理
- 全数管理
- 動態管理
- 福島地域再生
- 輸送管理
- メーカー・製造業
- 資源・環境
- 林業
- ⼟⽊・建設
- 業種:建設業など
- 事業紹介:中間貯蔵事業、福島復興、福島地域再生
- プロジェクトの期間:2015年~
背景
2011年に発生した東日本大震災における福島第一原子力発電所の事故の復興作業には、除染、中間貯蔵、廃炉の3事業があります。そのうち中間貯蔵事業は、市町村のご協力を得て決定した仮置場等で一時的に保管されている除去土壌等(除染事業により発生した放射性物質を含む土壌、草木など)を、大型車両にて中間貯蔵施設まで輸送し、最終処分するまでの間安全に集中的に管理・保管する事業です。この中間貯蔵事業を請け負う複数のJV(建設業共同企業体)様より
- 除去土壌等の個体情報(重量、線量など)を一元管理したい
- 除去土壌等の輸送状況をリアルタイムで監視したい
- 全現場を管理する環境省の「総合管理システム」と連携させたい
というご相談をいただきました。
お悩み・課題
- 除去土壌等の個体管理
除去土壌等は、フレコンバッグという保管容器に入れられています。このフレコンバッグごとの個体情報(重量、線量など)を一元的に管理できる 機能を希望されました。 - 除去土壌等の安全、且つ計画的な輸送
フレコンバッグは、安全、且つ計画的に中間貯蔵施設まで輸送する必要があります。そのため、計画輸送経路に準じた輸送をする輸送する車両の位 置情報等は、リアルタイムに把握できる機能を希望されました。 - 総合管理システムとの連携
フレコンバッグの個体情報と輸送状況のデータは、全JVの現場、車両、フレコンバッグの情報を統合して管理する「総合管理システム」と連携させ なくてはなりません。
課題解決策
- 全数管理システムによる個体情報の一元管理
除去土壌等が入ったフレコンバッグに、管理用の輸送タグ(一次元バーコード)を取り付けます。ハンディターミナルを用い、フレコンバッグの情報(重量、線量など)と、輸送タグの情報を紐づけて登録することで、全ての個体情報の一元管理を可能としました。 - 輸送管理システムによるリアルタイム監視
除去土壌等が入ったフレコンバッグを輸送する車両に、車載端末(スマートフォン)を車載させます。輸送管理システムでは、その車載端末より車両のGPS位置情報を取得し、稼働中の全輸送車両の位置情報や作業状況をリアルタイムに確認することを可能としました。 - 総合管理システムとの連携
全数管理システム・輸送管理システムから総合管理システムにリアルタイムでデータが連携される仕組みとしました。
結果
2020年現在も安全、且つ計画的な輸送を継続中です。2016年3月(2018年12月更新))で定めた実施計画より、2019年度以降は年間約400万m3の除去土壌等の輸送を目標としています。2020年度以降も計画的な輸送を継続し、2021年度までに、県内に仮置きされている除去土壌等の概ね輸送完了を目指しています。2019年より、弊社システムが中間貯蔵JVのうち70%以上のシェアを獲得しています。
UI画面例
全数管理システム
輸送管理システム
備考・その他
- 車載端末(スマートフォン)
端末による位置情報取得エラーやシステムの不具合を防止するために、運搬車両での稼働実績がある富士通製「Arrows」端末を指定端末としております。 - ハンディターミナル
CASIO製「IT-G400」というさまざまな使用環境に対応可能な頑丈なモデルを使用しています。難読コード対応のため、薄くなってしまった、かすれてしまった、汚れてしまった等のバーコードも読み取ることが可能です