優良産廃処理業者認定制度の完全ガイド|メリット・基準・一覧・現地確認・取り消しまで解説
トピックス TOPICS
産業廃棄物基礎
コラム
産廃処理業界における脱炭素の取り組みポイントと廃棄物処理施設の脱炭素化を解説
産廃処理脱炭素への取り組みは、廃棄物処理業界にとって避けられない経営課題とされています。
廃棄物処理施設脱炭素化や廃棄物処理再生可能エネルギーの活用・廃棄物処理GXの推進が求められる中、何から着手すればよいかお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本記事では産業廃棄物処理業界が産廃処理脱炭素に取り組む上で押さえておきたいポイントを解説します。
< 目次 >
脱炭素とは:廃棄物処理GXとの関係
脱炭素とは、CO2(二酸化炭素)排出量をゼロにすることです。
現在、地球温暖化が進行しており海面上昇や生態系への影響が懸念されています。
この地球温暖化を招いている大きな原因がCO2の増加とされています。
日本は海に囲まれた島国である以上、海面上昇の影響を大きく受けることが予想されます。
産廃処理脱炭素への取り組みは、こういった問題の解決のためにも重要とされています。
脱炭素と混同されやすい「カーボンニュートラル」は、排出したCO2を吸収したり除去したりすることにより実質ゼロを目指す考え方とされています。
いずれにしてもCO2の排出を抑える取り組みが必要です。
|
【廃棄物処理 GX(グリーントランスフォーメーション)について】 日本政府は2050年カーボンニュートラル実現に向けて廃棄物処理 GX を重要政策の一つに位置づけており、廃棄物処理施設 脱炭素化・廃棄物処理 再生可能エネルギー の導入・産廃処理 EV 収集運搬車両 の普及などが廃棄物処理 GX の具体的手段とされています。 |
※関連記事
・ISOとは?産業廃棄物処理業との関係と取得により取得により期待できる恩恵
産業廃棄物処理における廃棄物2050年カーボンニュートラルの指針と課題
産廃処理脱炭素に向けた取り組みを進めるためには、廃棄物2050年カーボンニュートラル の指針と日本の現状を理解しておくことが重要とされています。
シナリオ:産廃処理環境省脱炭素の方針
廃棄物2050年カーボンニュートラルの実現は世界的な課題とされています。
米国では2030年までに温室効果ガスの排出量を2005年比で50〜52%削減することを目指しており、EUでは官民あわせて10年間で1兆ユーロ相当の投資動員を目指しています。
産廃処理環境省脱炭素の観点では、環境省が発表した「令和3年度廃棄物・資源循環分野における2050年温室効果ガス排出実質ゼロに向けた中長期シナリオ検討業務報告書」において、以下の3つが重点対策領域として定められています。
①資源循環を通じた素材毎のライフサイクル全体の産廃処理 脱炭素
②地域の廃棄物処理施設 脱炭素化 に貢献する廃棄物処理システムの構築
③廃棄物処理施設・車両等の産廃処理 脱炭素
※参照元
・経済産業省資源エネルギー庁:第1節 脱炭素社会への移行に向けた世界の動向
・産廃処理 環境省 脱炭素 ポータル:2050年カーボンニュートラルの実現に向けた国の取組
・環境省:令和3年度廃棄物・資源循環分野における中長期シナリオ検討業務報告書(PDF)
日本の現状
環境省によると、令和4年度実績値の産業廃棄物量は全体で3億7,021.8万トンとされています。
業種の中で特に排出量が多いのは以下の通りです。
・電気・ガス・熱供給・水道業(8,288.1万トン)
・農業・林業(8,288.1万トン)
・建設業(8,017.9万トン)
・パルプ・紙・紙加工品製造業(2,741.1万トン)
・鉄鋼業(1,951.9万トン)
産業廃棄物の種類別排出量では汚泥・動物のふん尿・がれき類の3つで全体の81%を占めており、廃棄物エネルギー活用脱炭素の観点からこれらを廃棄物発電の燃料として活用することでCO2排出量の削減が可能とされています。
ただし廃棄物処理施設脱炭素化 のための設備導入には莫大な費用・時間がかかるため、なかなか設備導入が進んでいないことが課題とされています。
※参照元
・環境省:令和5年度事業 産業廃棄物排出・処理状況調査報告書 令和4年度速報値(概要版)(PDF)
廃棄物焼却時に排出される温室効果ガスと産業廃棄物焼却熱の有効活用
産廃処理環境省脱炭素の調査によると、2019年度の廃棄物焼却時に排出される温室効果ガスの内訳(単位ktCO2)は以下の通りとされています。
廃プラスチックと廃油で全体の約4/5を占めており、産業廃棄物焼却熱有効活用の重要性が高い種別とされています。
| 廃棄物の種別 | 排出量(ktCO2)/産業廃棄物 焼却熱 有効活用 の対象 |
|---|---|
| 廃プラスチック(産廃処理 脱炭素 の最重要課題) | 14,654 |
| 廃油 | 9,761 |
| RDF・RPF(固形燃料) | 1,819 |
| 合成繊維くず | 1,208 |
| 紙くず | 1,192 |
| 廃紙おむつ | 688 |
| 廃タイヤ | 973 |
| その他 | 1 |
|
【産業廃棄物焼却熱有効活用と廃棄物サーマルリサイクル脱炭素について】 産業廃棄物焼却熱有効活用によって化石燃料の使用量を削減できる可能性があります。 環境省の調査では産業廃棄物焼却施設のうち発電設備を導入している施設は約18%、熱利用設備を導入している施設は約27%とされており、産業廃棄物焼却熱有効活用の余地はまだ大きいとされています。 廃棄物サーマルリサイクル脱炭素を進めることは、廃棄物エネルギー活用脱炭素の観点からも重要とされています。 |
※参照元
・環境省:令和3年度廃棄物・資源循環分野における中長期シナリオ検討業務報告書(PDF)
産廃処理における脱炭素を推進する手立て
産廃処理脱炭素を推進していくためには、資源化の推進と廃棄物処理施設脱炭素化のための設備更新が求められます。
①最終処分ではなく資源化の推進:産業廃棄物バイオマス発電脱炭素
各種産業廃棄物の排出を抑制することはもちろん重要ですが、これらを最終処分するのではなく資源化していくことも産廃処理脱炭素の重要な取り組みとされています。
製造から廃棄までのライフサイクルで見るとCO2削減に寄与できる方法とされています。
|
【産業廃棄物バイオマス発電脱炭素と廃棄物エネルギー活用 脱炭素について】 廃棄物エネルギー 活用脱炭素 の一形態として、化石燃料の代替となるだけでなく廃棄物処理再生可能エネルギーの創出につながるとされています。 廃棄物処理再生可能エネルギー の活用により、廃棄物処理施設脱炭素化の推進と電力コストの削減が同時に実現できる可能性があるとされています。 |
②新設備導入による廃棄物処理施設脱炭素化:産廃処理 EV収集運搬車両
処理量当たりのCO2排出量を削減するのに役立つのが省エネ駆動の設備の導入です。
導入時には費用がかかりますが、将来的なCO2排出量の削減を考えると検討したいところです。
自ら熱回収が可能な高効率の設備を導入することも廃棄物処理施設脱炭素化に効果的とされています。
|
【産廃処理EV収集運搬車両と廃棄物処理再生可能エネルギー について】 廃棄物処理施設脱炭素化の観点では、施設内で創出した廃棄物処理再生可能エネルギーを産廃処理EV収集運搬車両 の充電に活用することで、さらなる廃棄物2050年カーボンニュートラルの実現に貢献できる可能性があるとされています。 なお古い設備を使用している場合は省エネ性能が低く、老朽化によりCO2排出量が増えてしまっている可能性もあるため、補助金を活用した設備更新も選択肢の一つとされています。 |
※関連記事
まとめ:脱炭素はできる取り組みから実行していくことが大切
産業廃棄物処理業界においても、産廃処理脱炭素に向けてCO2の排出量を削減することが求められています。
廃棄物処理GXの推進・廃棄物処理施設脱炭素化・産業廃棄物バイオマス発電脱炭素・廃棄物サーマルリサイクル脱炭素・産廃処理 EV 収集運搬車両 の導入・廃棄物処理再生可能エネルギー の活用など、自社でできる取り組みは何かを考え実行していくことが大切とされています。



